漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(170)立夏 夏の訪れの楽しみ
●24節気 立夏(5月5日~5月19日頃)
異常に暖かかった2月、冬戻りした3月。雨が降ったりやんだりの4月。異常気象が異常ではなくなりつつあります。立夏の5月はどうだろうと過去数年を調べてみたところ、意外と安定していて清々しい青空を楽しめていました。薫風に揺られ夏を待てそうです。
夏の訪れを祝う風習はさまざま。日本では、薬草でもある菖蒲の湯で夏を健康に過ごそうと、端午の節句を祝います。イギリスでは五月祭。5月1日の夜明け前、森に分け入り朝露の降りた花を花束にして日の出とともに家に戻ります。美と健康に良いMay Dew(五月の露)、その朝露で顔を洗うと美しく幸せになるといわれています。
まもなく旬を迎えるきゅうり。イギリスでは、それだけのキューカンバーサンドイッチが有名です。少しアレンジしてみました。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2024年(甲辰年) 司天が太陽寒水、主運が火不及で火気が寒気を抑えきれないため、涼しい日が続きそうです。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆きゅうりが主役のオープンサンド
暑熱を取り、むくみの改善も
エネルギー380kcal たんぱく質16g 塩分1.2g(1人分)
〈材料・2人分〉
・きゅうり……1本
・青じそ……2枚
・じゃがいも……小1個
・牛乳……1カップ
・酢……大さじ1
A・マヨネーズ……大さじ1
A・塩、こしょう……少々
・イングリッシュマフィン……2個
・ゆで卵……1個
・アーモンド(ロースト)……6粒
〈作り方〉
(1)鍋に牛乳を入れ火にかけ、60~70℃になったら火を止め、酢を入れて混ぜる。分離したらキッチン用ペーパータオルを2枚重ねたザルでこし、水気をきりカッテージチーズをつくる。
(2)きゅうりは1cmの角切り、青じそはちぎる。
(3)じゃがいもは皮をむき1cm角に切る。耐熱容器に入れてふんわりラップをかけ、電子レンジ(600W)で約2分加熱する。粗熱を取り、(1)(2)とAを加えて混ぜる。
(4)イングリッシュマフィンを2つに割り、さっと焼いて(3)をのせる。4等分したゆで卵と、粗く切ったアーモンドを飾る。
●きゅうり cucumber
【栄養学】カリウムを多く含み、ナトリウムの排出を促します。血圧の上昇を防ぐ効果も期待されます。利尿作用があり、むくみ改善も。
【薬膳学】暑熱を取り、渇きを癒す働きがあります。血を補う卵、気を補う芋類と合わせ、陽気が盛んになるこの時期にとり入れたい食材です。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師河村彩子(レシピも)