食品産業文化振興会Webセミナー 東急総合研究所・丸山秀樹氏が講演

オンラインで講師を務めた丸山秀樹氏

オンラインで講師を務めた丸山秀樹氏

 ●流通業改善の余地多く AI活用で6割増収か

 日本食糧新聞社主催の食品産業文化振興会が18日、東京・八丁堀「食の情報館」で初めてとなるWebセミナーで開催した。

 講師の丸山秀樹東急総合研究所主席研究員は「流通分野におけるデジタルトランスフォーメーション~ビジネスモデルの転換と生産性向上~」をテーマに講演し、「米コンサルティングファームの予想ではAI活用で流通業は6割増収が可能とされている。流通業は改善の余地が多く、ビッグデータをAIで分析し粗利の向上につなげることが必要だ」と語った。

 丸山氏は、従来のサプライチェーンに沿った直線型ビジネスモデルの欠点はさまざまな企業によるリアルタイムでの情報共有欠如にあると指摘した上で、デジタル社会では、例えば、Amazon、Uber、メルカリなどに代表されるマルチサイド・プラットフォーム型ビジネスモデルへの移行も必要で、情報をリアルタイムで共有、AIで分析、戦略を構築し付加価値を100より高くする必要があると強調。またプラットフォーム型ビジネスモデルの成功方程式は、フリーアプリをユーザーに配布し、使用者が増えればサプライヤーも増え、ネットワーク効果が急速に拡大することにあり、情報の共有をクラウド上で行い、誰でも参加できる環境を作ることが大事だとした。

 流通業でこれらを実現するには、共創によるシステム構築が必要で最終目的は高精度な需要予測だとし、これができると在庫適正化、ロス減少、商品鮮度向上、顧客心理・行動の把握、最適なプロモーションなどが実現でき、付加価値向上につながるだろうとまとめた。(阿久津裕史)

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