食品経営者フォーラム、櫻庭英悦氏が講演 消費から貯蓄へ 在宅時間増が影響

櫻庭英悦氏

櫻庭英悦氏

 3月24日に日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラムが開催され、元農林水産省食料産業局長の櫻庭英悦氏が、コロナ禍における食料消費行動をテーマに講演し「これからの家計支出は、在宅時間が増える影響による、無理な消費から貯蓄に向かう傾向が読み取れ、特に生活必需品の重点化、小物類も含めて、ますます通販への対応が重要になるだろう」と語った。

 櫻庭氏は、コロナ禍の家計調査をひもとくと、勤労者世帯の収支では全体の消費支出が前年比マイナス5.6%、昨年は世帯主が収入減で配偶者は収入増と、可処分所得は増加傾向にあるものの消費が減っている事実は、貯蓄が増えていることにつながっていると指摘した。また消費性向が7割といわれた時代があったとした上で「現在は消費性向が6割程度で、消費に回らず、去年の特別定額給付金の4割は貯蓄に回っている可能性もある」と述べた。

 消費支出を詳しく見れば光熱費は上がり、被服費は下がり、食料品では乳製品、油脂、調味料、コーヒー、酒類などの消費増と巣ごもり需要傾向が顕著に表れており、買い物に行くよりも取り寄せる行動が鮮明化、そしてグローバルとネットが進むマーケットでの企業戦略が問われているとまとめた。(阿久津裕史)

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