食品経営者フォーラム、川合豊彦氏が講演 2050年に向けた長期目標策定 持続可能性訴える

川合豊彦氏

川合豊彦氏

永田一穂氏

永田一穂氏

 日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラムが5月28日に東京都内で開催され、農林水産省農林水産技術会議・川合豊彦研究総務官が「みどりの食料システム戦略について~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~」をテーマに講演し、「ひとつ立ち止まり、2050年に向けて長期目標を立てている。今までは生産性向上、所得向上、産業政策を前面に出してきたが、今回は特に持続性を訴えたい」と語った。

 川合氏は持続可能な食料システムの構築に向けて、農林水産大臣を本部長とする「みどりの食料システム戦略本部」で策定・発表された「みどりの食料システム戦略」では、農林水産業のCO2のゼロエミッション化の実現をはじめとした多くの野心的な目標が掲げ、持続可能な戦略的な取組み方向として40年までに革新的な技術・生産体系を順次開発し、50年までにそれらの開発を踏まえて社会実装が目標だと強調。

 策定においては生産者、関係団体、事業者など幅広い関係者との意見交換とともにパブリックコメントを実施し、2週間で1万7000件以上のコメントがあったとした上で「皆さまも非常に心配されている分野、そして若い人たちもSNSでたくさんの反応をしていただき、批判も多いが、それがより理解を深めてくれている」と述べ、同戦略を、アジアモンスーン地域の持続可能な食料システムのモデルとして打ち出し、国際ルールメーキングにも参画していくとまとめた。

 また、農林水産省大臣官房政策課政策室・永田一穂課長補佐が「あふの環2030プロジェクト」を紹介。同事業は「食と農林水産業のサステナビリティを考える」をサブタイトルに、持続可能なサプライチェーンの確立に向けた新たな市場の創造に取組んでおり、プロジェクトの参画を呼び掛けた。同プロジェクトメンバーは3月末時点で116社・団体に上る。(阿久津裕史)

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