日本ケロッグ、オートミール市場参入 「主食」の一端担う

菓子 ニュース 2021.03.17 12201号 01面
4月1日発売の「ケロッグ オートミール」

4月1日発売の「ケロッグ オートミール」

井上ゆかり社長

井上ゆかり社長

 グラノラブームから約10年弱、コロナ禍に伴う在宅時間の増加や健康への意識の高まりで、シリアルの「おいしさ」「簡便」「保存性」「栄養バランス」が評価され、第2次グラノラのブームの兆しが見え始めている。一方、第1次グラノラブームの時は「第3の朝食」として、朝食の中の3番手に甘んじていたシリアルだが、20年以降「オートミール」が脚光を浴びたことで、「主食」の一端を担う可能性がでてきた。こうした中、日本ケロッグは4月1日に「ケロッグ オートミール」を発売し、日本の主食に挑戦する。

 本紙取材に井上ゆかり社長は、従来のパンからのスイッチに加え、米食からオートミールへのスイッチを提案することで、シリアル市場全体の活性化につなげる考えを示す。市場参入に当たっては「これまで、オートミール市場を大切に育ててこられた方々の努力を傷つけてはならない」と述べ、共存共栄の考えで日本におけるオートミール市場を確立することで、1人当たりの年間消費量が数百gレベルのシリアルを1kgの大台に乗せることを目指す。

 コロナ禍以降におけるオートミールの伸長理由について、食の総合コンサルタントの小倉朋子氏は(1)栄養素を豊富に含むこと(2)低GIでダイエットに活用(3)常温保存ができて便利(4)簡便で甘味でありながら甘くないので主食代わりに食べられる(5)スイーツからおかずまで高い汎用性(6)甘さを加えればスイーツになり、塩分を加えれば食事にもなり、朝食、おやつ、昼食、夕食のご飯代わりにもなり得る(7)レシピは無限大で冬も楽しめるシリアル–と説明する。

 日本市場参入に当たって同社では、原料のオーツ麦に含まれる発酵性食物繊維(ベータグルカン)が入っていることを訴求する。この点について、15日開催の発表会で山田実執行役員マーケティング本部長は「当社と長年研究を続けてきた大妻女子大学・青江誠一郎教授の最新研究で『オールブラン』の原料である小麦ふすまに含まれる発酵性食物繊維『アラビノキシラン』が、酪酸などの短鎖脂肪酸を増やし腸内環境を改善することが解明された。『オールブラン』の真の力を健康に役立てるため、20年4月に日本初の発酵性食物繊維による腸内環境を改善する機能性表示食品に進化させたことで、リニューアル後の売上げは前年比35%増と大きな成長を遂げた」と説明した上で、発酵性食物繊維シリアルの新たな提案として「オートミール」を展開する考えを示す。

 「ケロッグ オートミール」は無添加にこだわり、厳選された上質なオーツ麦100%を原料とする。白米ご飯と比べて糖質が約3分の1と控えめで、オーツ麦由来の発酵性食物繊維も含まれており、腸活をはじめ、健康的な食生活を意識したい人の新しい毎日の主食に最適な製品。温めることで香ばしさがアップし、おかゆや雑炊などの和食、リゾットなどの洋食などさまざまなアレンジ方法を楽しむことができ。ケロッグ公式ホームページでは、温めて食べられるオリジナルレシピを公開している。(青柳英明)

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