胃心伝真=春の風物詩

総合 コラム 2024.04.08 12740号 01面

 地元兵庫県の春の風物詩といえばイカナゴの新子(稚魚)漁だ。播磨灘では3月11日に漁が解禁されたが、深刻な不漁で同日に終漁となり、今季の漁はわずか一日で終わった▼生のイカナゴの稚魚を醤油、砂糖、ショウガなどで甘辛く煮た佃煮「イカナゴのくぎ煮」は、瀬戸内海沿岸地域で古くから作られている郷土料理。この時期、街中にはイカナゴを炊く醤油や砂糖の香りが漂い、春を感じたものだ▼近年は不漁続きで価格が高騰し、庶民の魚が高級魚となっている。あまりの高値と、母が高齢になったこともあり、わが家で

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