#元気いただきますプロジェクトNEWS:良品計画 生産者の思い伝える

小売 特集 2020.11.30 12153号 12面
直営のオンラインストア内で各地の特色ある商品を取り扱う「諸国良品」

直営のオンラインストア内で各地の特色ある商品を取り扱う「諸国良品」

商品の背景ストーリーを伝えることに重点を置く

商品の背景ストーリーを伝えることに重点を置く

 ◇インターネット販売推進事業=良品計画

 ●「諸国良品」で産直販売

 良品計画が直営のオンラインストア内で展開する「諸国良品」は、各地の特色ある商品を産直で提供する。地域商品の発掘プロジェクトから始まったこの取組みは生産者とのつながりを広げ、リアル店舗での販売に発展した事例もある。コロナ禍で生産者が出荷に困った際も、以前からの関係づくりを生かして緊急企画を実施した。「#元気いただきますプロジェクト」への参画を機に、生産者のストーリーをより多くの消費者に届ける。

 「諸国良品」の発端は、2012年から実施した企画「MUJIキャラバン」にさかのぼる。日本各地の「感じ良いくらし」と、それに関連する商品を紹介するという取組みの成果がオンラインでの販売に発展した。15年に現在の名称になり、食品を中心に約800品目を扱っている。

 サイトで取り扱うのは主に旬の生鮮品で、それらを素材とした加工品を販売するケースもある。情報発信の企画としてスタートした経緯もあり、「諸国良品」では地域商品の背景ストーリーの紹介に力を入れている。商品の特徴や生産者の思いをしっかり伝えることがオンラインでの購買につながり、販路として実績を作ることが参加者を介して別の生産者に伝わり、各地で生産者の輪を広げてきた。

 生産者との連携は銀座店のような大型店での販売に発展しているほか、千葉県鴨川市の「里のMUJIみんなみの里」のように地域の交流拠点として複合的な機能を備えた店舗を運営する上でも不可欠になっている。「諸国良品」の取組みは、地域活性化を目指す全社的な事業展開の一部であり、恒常的な販路として重要な役割を担う。

 コロナ禍でも、この産直サイトは有効に機能した。非常事態で販路が制限された余剰の生産物や規格外品の販売チャネルとして、「諸国良品」で緊急企画による販売支援を実施した。

 「#元気いただきますプロジェクト」への参加は、コロナ禍の支援策だけでなく、その後も見据えて生産者の販路拡大につながることを期待している。

 ソーシャルグッド事業部ローカルグッド担当課の高橋哲課長は、「#元気いただきますプロジェクトを通じて、より多くの方に認知していただくきっかけになればと思う。販路拡大によって生産者と当社の関係が一段と深まることが、さらに広く当社の事業につながっていく」という。対象商品は段階的に増えており、最終的に約300品目を予定している。(宮川耕平)

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