5月飲料市場動向 炭酸など光明差す 前年比約20%減も

飲料 ニュース 2020.06.12 12064号 01面

5月の清涼飲料市場は、単月では前年比約20%減で推移したもようだ。これは4月単月の実績とほぼ同じ推移となっている。新型コロナ禍による外出自粛などにより、自動販売機チャネルやオフィス周辺のコンビニエンスストア、交通系などが影響を受けた形だ。そのような状況下でも家庭内需要の高まりなどから、前年を上回って推移する「三ツ矢ブランド」(写真(右)=アサヒ飲料)やブランド史上最大のリニューアルを遂げた「伊右衛門」(同(左)=サントリー食品インターナショナル)などの光明が市場に差している。

アサヒ飲料によると、家庭内需要の高まりで「炭酸カテゴリー」や「カルピス」などのコンク飲料の販売が増加したという。「炭酸カテゴリー」の「三ツ矢」ブランドは、新広告キャラクターに嵐を起用した積極的なマーケティングや4月に発売した「『三ツ矢』特濃オレンジスカッシュ」の好調が売上げ増に貢献している。健康志向などから伸長が続く「ウィルキンソン」ブランドは、オンライン飲み会などでの割り材としての需要増加など、新たな消費スタイルをとらえ、5月単月で同9%増と伸長するとともに、1LPETの売上げも拡大している。

加えて、自分で好みの味を作ることができる上に、経済的となるコンク飲料の価値が支持され、家庭内需要の拡大とともに「カルピス」のコンクタイプが、5月単月同3%増と前年を上回った。4月にブランドの大刷新を敢行したサントリー食品インターナショナルの「伊右衛門」はリニューアルが支持され、単月で同6%増と好調に推移している。

また、先行きが不安な社会情勢の中、高まる体調管理意識などのニーズをとらえ、伸長する製品も目立つ。大塚製薬が展開する「ボディメンテ」や昨秋に機能性表示食品化した伊藤園の「お~いお茶 濃い茶」が半年間(19年9月~20年3月)の累計販売実績で前年の約1.5倍と好調に推移していることに加え、キリンビバレッジが展開するプラズマ乳酸菌配合の「iMUSE」ブランドは5月単月で前年比約2倍と伸長している。

同社が新たに投入した「キリンレモン スパークリング 無糖」や好調に推移する「ファンタ プレミアグレープ」(コカ・コーラシステム)など、マスクとともに過ごす新たな生活様式の夏での伸長を期待したい。(本吉卓也)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

書籍紹介