キリンビバレッジ「午後の紅茶」、スリランカ産の認証茶葉使用 CSV型商品で農園支援
35周年を迎えたキリンビバレッジの「キリン午後の紅茶」ブランドは、キリングループが取り組んできたスリランカ紅茶農園支援を体現するフラグシップ商品を投入する。同ブランドでは初となるスリランカ産の「レインフォレスト・アライアンス認証茶葉」を使用し、紙パックのパッケージにも持続可能性に配慮したFSC認証紙を使用するなどサステナブルな「キリン午後の紅茶ストレートティー250ml LLスリム」を8月3日から、全国でリニューアル発売する。
同品は、キリングループが長期的に取り組むCSV(共有価値の創造)活動とブランド戦略を統合したCSV型商品となる。
同社によると、日本に輸入される紅茶葉の約50%はスリランカ産となり、その約24%が「午後の紅茶」に使用されているという。1986年の発売当初から、スリランカ産の紅茶葉を使用し続けてきた同ブランドにとって、スリランカ産の良質な茶葉を調達することは必要不可欠なこととなる。
そのことから、同グループが2013年から継続して取り組むのが、スリランカの紅茶農園が持続可能な農園認証制度の「レインフォレスト・アライアンス認証」を取得するための支援となる。13年の開始から20年までに93の大農園と120の小農園で、同グループからの支援による「レインフォレスト・アライアンス」認証取得が実現しており、25年末までに10000の小農園に認証取得支援を行う予定だ。
26日に開催した説明会で、キリンホールディングスCSV戦略部の藤原啓一郎氏は「原材料調達の面だけで見れば、比較的資金に余裕のある大農園など、既に国際的な認証を得ている紅茶農園だけを選んで認証茶葉の買い付けを行うことも可能だった。だが、スリランカの紅茶産地全体がより持続可能となるためには、小規模農園などのさまざまな紅茶農園が認証を取得することの支援を選んだ。それにより、農園は持続可能で安定した茶葉生産が可能となり、収益や茶園で働く人々の給料や生活環境の向上に加え、子どもたちの教育環境の向上にもつながるからだ」と語った。
加藤麻里子キリンビバレッジマーケティング部ブランド担当部長シニアブランドマネージャーは「同品はスリランカへの感謝とともに、『午後の紅茶』のおいしさがスリランカに支えられていることを伝える存在となる。製品パッケージやTVCMなどを通じて、『午後の紅茶』がスリランカや社会に貢献すべく取り組んでいることをお伝えし、同ブランドの存在意義を高めながら、35周年の感謝を伝え、ファンを増やしていきたい」と意気込みを語った。(本吉卓也)