ハウス食品、宮崎駿監督が初CM「お家で食べよう。」シリーズ4作
アカデミー賞アニメ「千と千尋の神隠し」の宮崎駿監督が温めていた初のテレビCM(スポット)、ハウス食品「お家で食べよう。」シリーズが完成して6月から“封切り”となり全国の茶の間に登場、アカデミー賞受賞後の初作品となるだけに話題を呼んでいる。このほど東京・小金井市のスタジオジブリでハウス食品など関係者が発表した。
ハウス食品と宮崎駿監督、スタジオジブリとの共同企画によるこのCMは、家族の絆などを描いてきた宮崎監督が家族の象徴でもあるお母さんへの思いを込め、子供時代を映像化した。子供が外で元気に遊び、家族団欒が普通であった昭和30年代に舞台を設定。日常の一コマを切り取り、父親の目線でアニメ化した「ままごと篇」「おつかい篇」「路地裏編」「宣伝カー篇」の四本で、監督自ら作詞したCM挿入歌「お母さんの写真」(久石譲作曲)を歌う上條恒彦の朗々とした声がアニメの描く郷愁とマッチし、印象を強くする効果を挙げている。
今回のCMは宮崎氏が構想を得て準備に着手。昨年夏の映画「猫の恩返し」に特別協賛しスタジオジブリとのタイアップキャンペーンを実施したハウス食品にスポンサー依頼の声をかけ、同社が快く承諾。当初「一本の予定」(スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー)だったが、ハウス側は「6~8月で二七万GRP投入」(藤井豊明マーケティング室長)する意向で、放映予定量の多さを聞いた宮崎氏自らが複数制作に変更。精力を振り絞って四本のストーリーにまとめ、「一番苦労した昭和30年代の街中の音」を再現するため屋久島まで録りに行くなど、完成までに一〇ヵ月を擁する大作となった。