植物肉に日本企業も続々と参入 日本アクセスはオリジナル大豆ハンバーグなどを外食提案へ

日本アクセスが「春季フードコンベンション2020」で提案した「MAL de MEAT」の品揃え

日本アクセスが「春季フードコンベンション2020」で提案した「MAL de MEAT」の品揃え

今年に入って食品メーカー各社が次々と植物肉や代替食の発売をアナウンスしているが、大手食品卸の日本アクセスもオリジナル商品で3月から市場へ参入する。大豆原料の冷凍ハンバーグとソーセージを開発し、ファストフード業態など外食市場への提案を始める。ECや食品スーパーデリカ・市販用への展開も順次計画し、数年のうちに10億円規模の商材へ育成する方針だ。

この取組みは22~23日、同社がさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で開いた東日本総合展示会「春季フードコンベンション2020」の生鮮デリカブースで紹介した。

オリジナル植物肉の商品名は「MAL de MEAT」(まるでミート)とし、3月下旬から業務用商品として発売を決定した。ファストフードやカフェ業態への提案に向け、ハンバーガーやホットドッグなどのメニューに使いやすい2種類3アイテム(ハンバーグ80g、ソーセージ20g・50g)を品揃え。

日本アクセスが「春季フードコンベンション2020」で提案した「MAL de MEAT」の品揃え

大豆由来の100%植物性。ハンバーグは焼き目付きで袋ごとボイル調理するだけ。ソーセージは桜チップで薫製するなど、いずれも外食向けに味も食感も肉そのままに仕上げたのが特徴だ。

今年は東京2020大会の開催などで訪日外国人が4000万人規模になるともされ、このうちベジタリアンなど肉を食べない人は4.8%の192万人とも想定される。日本アクセスでは「まるでミート」の供給で外食店の植物肉メニュー化のハードルを下げ、外国人客を呼び込む商機を提供する考え。

長期的な健康志向を背景に、今年以降の国内市場の有望性も見込む。外食分野で認知を高めつつ、ECで健康意識の高い消費者向けの販売を計画。動向を見ながら、食品スーパーデリカへのメニュー提案、コンシューマー向け商品への拡大も進めていく意向だ。

植物肉は、伊藤ハムや日本ハムなど食肉加工メーカーが今年を市場創造のヤマ場に位置付け、業務用分野などで提案に力を入れている。大塚食品やマルコメなども市販用市場での定着へ取組みを強化し、卸では伊藤忠食品がプラントベースフードのマーチャンダイジング強化を表明したばかり。

日本アクセスは事業特徴として食品スーパーデリカなど中食、フードサービス業態と強い結びつきを持つだけに、同社の参入によって植物肉市場の活性化へ一段と拍車がかかりそうな雰囲気だ。

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