利用者を急激に増やしているファストフード公式アプリの使い勝手を徹底比較
コロナ禍で飲食店の売上げが軒並み低迷する中で、比較的健闘しているのがファストフード業界だ。手早く食べられるファストフードの需要が高まっており、各企業の公式アプリは、より早く・よりお得に提供するべく急激に利用者を増やしている。アプリから注文するのが年代を問わずスタンダードになってきているという。そこで5社の公式アプリを実際に使ってみたうえで特徴を挙げ比較していく。
【日本マクドナルド】モバイルオーダーで簡単注文
日本マクドナルドの公式アプリはトップ画面に過去の注文品が表示されリピート注文がしやすくなっている。マクドナルドが一押ししている「モバイルオーダー」のボタンも見やすいところに設定してあるのが特徴だ。

<特典やクーポン>
新聞の折り込み広告に入ってくる紙のクーポンと同じ内容のものをアプリでも利用することができる。クーポンはカテゴリー分けされていて使いやすい。一度に複数のクーポンを使うこともできるので、上手に活用すれば割引も大きくなる。なお利用額に応じた還元システムは設定されていない。

<ネット注文>
「モバイルオーダー」といって、アプリ内で簡単に注文をすることが可能。まずは地域を入力し、出てきた店舗の中から受け取りたい店舗を選択する。

画面に沿って入力を進めていけば、誰でも簡単にオーダーできる。

受け取り方法や支払い方法もアプリ内で選択。アプリ内でオーダーを完結することが可能となっている。

<便利度>
「モバイルオーダー」を利用すれば、クレジットカード払いやLINE payで支払いを済ませられる。ユーザーが多いマクドナルドのアプリだけに、使いにくさは一切感じられなかった。
<ポイント連携>
dポイントと楽天ポイントが連携可能。購入金額100円(税込)ごとに1ポイントが加算されていく。また、カード利用で貯まったポイントを会計時に使うこともできる点も便利だ。

カード連携はアプリの右上にあるので、すぐに使うことができる。
使いやすさ ◎
便利度 ◎
お得度 ◎
【モスバーガー】来店回数や利用金額に応じてお得に
モスバーガー公式アプリのトップ画面もマクドナルドとよく似ている。新商品や特別価格で販売しているメニューがトップ画面に表示されるため選びやすい。

<特典やクーポン>
モスバーガーもクーポン利用が可能。ただし配信されているクーポンは、時期によっても異なるものの、少ない印象だ。

<利用額に準じた還元>
「モスカードプログラム」というものがあり、モスカード会員になってモスカード決済をすると来店回数や利用金額に応じてランクが上がり、受けられるサービスが増えていく。また、モスカードに金額チャージをしたり、モスカード決済をした際に還元を受けられるようになっている。
<ネット注文>
ネットで事前注文をしておくことは可能。地域によっては届けてくれるサービスもあるが、対応しているかどうか確認が必要だ。

ネット注文特別価格や限定メニューもあるので是非活用したい。

カート内に買いたい商品を追加していき、モスカードかクレジットカードで支払う仕組みだ。あとは希望した店舗に、入力した時間に取りに行けばスムーズに受け取ることができる。

<便利度>
アプリ内でクレジットカードやモスカードを使って支払いができる。特にモスカードを登録しておくと会員証のような扱いになり、受けられるサービスも増えていく。
使いやすさ ◎
便利度 ◎
お得度 〇
【ミスタードーナツ】現金をチャージしてアプリで支払いも
ミスタードーナツの公式アプリでメニューが見たい場合は公式ホームページに飛んでしまい、アプリ内で見ることができない。

<特典やクーポン>
クーポンというボタンは設置されているが、常にクーポンが配信されているわけではないようだ。なおアプリによる還元はない。

<便利度>
「ミスタードーナツカード」という現金をチャージして使う仕組みのカードがあり、そちらにチャージをしておけば、会員番号と連動してアプリを使って支払うことができる。こちらのページが会員証の代わりとなる。
なおネット注文は現在のところ対応していない。

<ポイント連携>
マイカードのページに楽天ポイントとdポイントのボタンが用意されている。こちらをタップして事前に連携をさせておけば、会計時にポイントを貯めたり使ったりすることができる。
使いやすさ △
便利度 〇
お得度 △
【ケンタッキーフライドチキン】チキンマイルがランキングに
トップページに最新情報がズラリと並び、見たい情報をすぐに開くことができる。「現在のチキンマイル」というものがトップページに表示されているのもユニーク。

<特典やクーポン>
クーポンボタンが設置されていて、気になるクーポンをお気に入り登録しておけば、お気に入りカテゴリーに振り分けされて、まとめてそちらを掲示することができて便利だ。
※同様のサービスがマクドナルドのアプリでも以前は使えたが、現在はお気に入りというシステムがなくなっている。

<利用額に準じた還元>
チキンマイルとは、ケンタッキーオリジナルのマイレージプログラムのことを指す。購入金額に応じてランクが上がっていき、受けられるサービスが増える仕組みだ。

アプリに登録している人(他人だが、名前などの個人情報はわからない)のマイル状況をランキング形式で見られるところもオリジナリティーがある。

<ネット注文>
トップ画面のスクロールしていく情報の中にネットオーダーという項目があり、そこをタップすると注文画面へと進んでいける仕組みだ。1人用・グループ用など、利用したいシーンに合わせて選ぶことができる。

関東、甲信越、近畿、中国、沖縄の一部地域に限って配送も選択が可能となるが、基本的には持ち帰り注文になると考えられる。欲しい商品をカートに追加し、クレジットカード情報を登録すれば支払い手続きが完了。あとは指定した時間に指定店舗に受け取りに行くだけだ。

<便利度>
アプリ内に会員証というボタンがあり、事前に連携を済ませておけば、KFCカードやPontaカードで支払ったり、ポイントを貯められる。
<ポイント連携>
前述の通り、会員証ページからPontaカードを使うことができる。dポイント、楽天ポイントには現在のところ対応はしていない。
使いやすさ ◎
便利度 〇
お得度 〇
【ロッテリア】時間限定のクーポン発行
トップページの上部に会員限定クーポンとお気に入り店舗のボタンがあるのが特徴だ。今取り扱っているおすすめの商品情報などが羅列されている。

<特典やクーポン>
クーポンは会員登録した場合のみ利用することができる。ワンコインで利用できるクーポンなど、内容は定期的に更新されている。

また、先ほど触れた「お気に入り店舗」に利用しやすい店を登録しておくと、時間限定のクーポンを利用ができるので注目しておこう。

なお、独自の還元システムは現在のところ用意されてはいない。
<ネット注文>
オンライン注文はできないが、配達可能エリアであれば「出前館」を通して注文が可能になっている。
また、ロッテリアオンラインショップというものがあり、自作する形にはなるがエビパティーなどお馴染みの味を買い求めることもできる点は面白い。

<便利度>
現在のところ、アプリを通して支払うことはできない。出前館を利用する場合のみ、事前精算で商品を受け取ることができる。
<ポイント連携>
対応しているのはTカードのみとなっている。アプリとは連携していない。
使いやすさ ◎
便利度 〇
お得度 ◎
ファストフードの公式アプリは進化の途上
ファストフード店によってさまざまな工夫がされている公式アプリを見てきた。新型コロナウイルスの流行がおさまらない社会情勢の中、ファストフード店での購入利用の需要は伸びていきそうだ。
公式アプリを見ていると、掲載する情報のボタンの場所を変えてみるなど試行錯誤をしながら、定期的にアップデートしていることがうかがえた。使えるサービスは各ファストフード店によって異なるが、公式アプリの進化もまだまだ期待が持てるので長期的な目でその発展を見守っていきたい。