大手全国卸4社第2四半期 物流費上昇が直撃 営業利益2桁減相次ぐ

卸・商社 決算 2019.12.02 11979号 01面

食品卸業界が依然、物流費の上昇に苦戦を強いられている。このほど出揃った2020年3月期の大手全国卸4社の第2四半期(19年4~9月)業績は、増大する販管費を吸収しきれず、2桁台の大幅な営業減益を強いられた企業も目立つ。深刻な人手不足で下期も物流費の上昇が見込まれる中、10月からのポイント還元で小売業界の消耗戦が激化するなど、競争環境は一段と不透明さを増してくる。物流コストの抑制をはじめ、さらなる経営合理化の追求が最大の課題となりそうだ。(篠田博一)

各社の上期業績における販管費率の状況を見ると、三菱食品(0.03ポイント減/6.29%)、三井食品(0.13ポイント増/9.08%)、伊藤忠食品(0.04ポイント増/4.83%)。日本アクセスは販管費率は非公表だが、額では前期比1.3%増としており、総体的にコスト環境が悪化している格好だ。

各社の販管費が増大する背景には、いうまでもなく昨今の労働力不足による配送費や庫内人件費など、物流コストの高騰がある。

三菱食品は上期の自社物流費に関して、計画通りに下げたため販管費率は改善したが、得意先専用拠点向けのセンターフィー上昇による売上原価の増加を受け、営業減益を強いられた。

日本アクセスも上期は、物流のBPI管理の徹底や得意先チェーンとの配送頻度の最適化などで改善成果は得たものの、それを上回る物流事業者からの値上げを吸収しきれない状況だ。

三井食品は、増収にともなう物流経費の大幅な増加が収益に影響。伊藤忠食品は、夏場の天候不順や一部帳合変更の影響で減収となり、売総率・販管費率とも前年比では悪化した。ただ、いずれも想定内の数値に収めたことで、上期は利益面では計画を上回る着地となった。

一向に歯止めがかからないコスト環境の悪化に対し、各社とも下半期の重点課題に物流費の抑制を挙げる。庫内作業の省人化・自動化など最新テクノロジーを活用した個社の努力に加え、同業間での共同配送など業界連携による物流合理化を模索している。

ここへきてメーカー間で納品リードタイム延長(受注翌々日納品)の動きが広がるなど、卸の業務負荷が増大する要素も表面化し、物流を取り巻く環境は一層厳しさを増しそうな雰囲気だ。卸から小売業への納品回数や納入時間・形態といった物流与件の緩和も含め、悪化するコスト環境の改善にはサプライチェーン全体で議論・取り組むスタンスが求められる。

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