政府が7都府県緊急事態宣言 食品界、供給使命遂行へサプライチェーン維持

総合 ニュース 2020.04.08 12036号 01面

安倍晋三総理大臣は新型コロナウイルスの感染拡大に備える特措法に基づき7日、東京など7都府県へ緊急事態宣言を発令した。海外のような都市封鎖は行わず、金融や交通などのインフラは活動を維持し、生活に必要な食品スーパーなど小売業の営業も通常通り継続される。人の接触を断つ緊急事態宣言下、食品流通は内食需要の増大や現場の人手不足に対応したサプライチェーンの機能維持が重要な使命となる。製配販三層は生産体制の変更や物流・販売体制の組み直しなどで食の安定供給へ努め、未曽有の難局を乗り越えたい構えだ。(篠田博一)

緊急事態宣言の指定地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、期間は1ヵ月程度。不要不急の外出自粛や施設の使用制限要請などに法的根拠が生じるが、食料品など生活必需品購入のための外出は制限されない。

発令によって想定されるのが指定地域を中心とした外出自粛やテレワークなど在宅勤務の急速な拡大だ。すでに外食から内食へ消費のシフトが顕著に進む中、今後1ヵ月にわたって食品スーパー(SM)やCVSで食品の購入がさらに急増していく可能性が高い。

そうした中で食品業界は緊急事態宣言に対応した内部体制の整備(テレワークの導入拡大や出張の禁止、感染防止へ向けた拠点内での人員配置見直しなど)に努めつつ、商品の安定供給へ向けた取組みを強化している。

特に需要が集中する即席麺やパスタ・米飯、関連調味料メーカーの間では、工場の製造ラインを主力・定番商品に寄せた体制へシフトする動きも顕著。今春の新製品の製造や販促の一時中断や出荷調整も行いつつ、メーン商材の供給を途絶えさせない生産活動へ努めていく。

卸は社員やパートの在宅勤務・休業などで人手が減る中、増加する小売業からの注文にどう対応するかが重要な課題だ。「平常時の7割の人員でセンターを回すと、出荷量が5割程度に落ちる」(大手卸)といった事前のシミュレーションに基づき、現場への社員応援や効果的な人の割り振りなどで供給を継続する構え。東京では都外から通勤する社員に宿泊施設を用意して現場対応に備えるなど、「とにかく物流を止めないこと」(同)を大前提に役割へ努める。

食品流通は2月末の政府の全国一斉の休校要請、東京都では3月下旬の小池都知事の外出自粛要請で買いだめ需要が発生し、店頭から商品が無くなる欠品騒動に振り回された。今回も緊急事態宣言の発令が報道された6日以降、SMの客数が増加する動きも見られるが、直近の二度の経験も生かしつつ、三層の効果的な連携で予測される事態へ的確に対応していく構えだ。

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