ふくなお、「切ったらまるで茹でたまご」発売 介護の問題解決、簡便・安全を実現

すり身と卵を合わせて介護食の知られざる問題に応えた

すり身と卵を合わせて介護食の知られざる問題に応えた

 【関西】介護食を製造販売するふくなおは6日、秋の新商品「切ったらまるで茹でたまご」を発売した。これは、殻をむく手間がかかる、切ると黄身が崩れて盛り付けが大変、黄身で口の中がパサつくという、介護現場の知られざる“ゆで卵問題”を解決できる商品だ。卵の風味と食感を生かしつつ軟らかさを保つために、全卵、乾燥卵白、乾燥卵黄、蒸し卵白、蒸し卵黄の5種類の卵をブレンド。見た目だけでなく味もゆで卵として仕上げた。

 同品は同社社員がかつて介護現場で勤めていた時、ゆで卵がメニューにあると苦労した実体験をもとに開発した。ゆで卵は大鍋でゆでた後、熱い鍋を流し台に運び、卵一つ一つの殻を剥くという作業の手間がかかる。さらに、殻がきれいに剥けず破片が残ることも多い上、切ると黄身が崩れやすいため見た目よく調理するのは難しい。嚥下(えんげ)困難者にとって、殻の破片の危険性はもとより、黄身特有のパサつきが誤嚥などの危険を誘発しかねず、介護の現場では大きな問題だ。

 そこで同社はゆで卵をめぐるこれらの課題に対し、簡便調理と安全な喫食を実現する同品を開発。すり身と卵を合わせ、きめ細かくやわらかな口当たりで、パサつかず口の中でまとまる食感に仕上げた。和洋中どんな料理にもあうシンプルな卵の風味で、卵の断面に見立てた1本185gの棒状のフリーカット形状。自然解凍で切り分け、ラーメンやサラダ、色が暗くなりがちなハンバーグなどの洋食やカレーのトッピングとしてメニューに彩りを添える。また、加熱しても煮崩れにくいので、おでんなど煮込み料理も可能。これまでの経験をもとに大事に作り上げ、介護現場の知られざる問題に応えた。(篠原里枝)

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