食品産業文化振興会、大手仁志氏が講演 シズル写真の重要性とは

大手仁志氏

大手仁志氏

 日本食糧新聞社が主催する食品産業文化振興会は13日、アマナ・シズルディレクターの大手仁志氏を講師に迎えて「『おいしさ表現(シズル)』の変化から食文化向上への仕掛けを考える SNS主流の昨今、消費者に伝わるシズル表現とは?」をテーマに、東京・八丁堀の食情報館で例会を開催した。コロナ禍で三密を考慮した会場における講演・受講およびWeb受講とした。大手氏は「商品の魅力を伝えるため、企業と消費者のコミュニケーションを図る『シズル(そそられる)』感があっておいしさを伝わる写真が重要だ」とし、“伝わる”努力が必要と強調した。

 大手氏は「デンマークの科学者トール・ノートランダーシュ氏が『情報の90.9%は視覚から得られる』と発表している」ことを紹介し、「食品において消費者とコミュニケーションする場合には必ずビジュアルが必要だ」として、おいしさを伝える方法としての料理写真の有用性を説いた。

 シズル写真の歴史として、(1)昭和料理写真世代=水平・垂直がきっちりし、ピント、ライティングがしっかりしている(2)レシピ本世代=カメラ斜めに振ったり、ピントが1点だけに合って背景がぼけている(3)インスタグラマー世代=スタイリングがしっかりして、俯瞰(ふかん)の写真が多く((1)(2)の写真では斜め上方からのアングルが主)、自然光がメーン–と変遷している。大手氏は「今どきの伝わる写真とは、リアルに共感、背伸びしたら手が届く、emotion(ときめき)+information(デザイン)がポイントだ」とした。(宇津木宏昌)

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