食品産業文化振興会、TNCディレクター澤村建造氏が講演 世界の食潮流2023テーマ
日本食糧新聞社が主催する食品産業文化振興会は5月19日、講師にTNCディレクター/グローバルフードアナリストの澤村建造氏を迎えて「世界の食潮流2023」をテーマに東京・八丁堀の食情報館で例会を開催した。澤村氏は「日本で起きつつある、そしてこれから起きる食トレンドをつかむため、海外の食の潮流(食にまつわる大きな流れ)を知っておくことが重要だ」とし、「製品開発において、日本だけでは差別化も難しくなっているため、海外の情報にヒントが詰まっている」と語った。グローバル視点で日本を元気にする「世界の食潮流2023年のキーワードは、(1)サステナビリティ(2)プラントベース(3)ネクストシーフード(4)オルタナティブ(5)ウォーターイノベーション(6)フローズン・ルネサンス(7)心身調整(8)リワーディング(9)食の楽しさへの原点回帰–の九つ」と予測した。
澤村氏は「サステナビリティは現時点で世界の食の潮流の中で最も重要なキーワードだ」と述べ、プラントベース、ネクストシーフードでは代替肉だけでなはく代替魚についても触れ、食物アレルギーにも対応するオルタナティブでは小麦粉代替、コメ代替にとどまらず甘味料代替、し好品代替にまで拡大していることを紹介した。「また小麦は北米産の不作で相場が高騰、グルテンや健康面への影響などを理由に避けている人が増加している」ことを指摘した。「水をめぐる戦争や作物の不作など水の使用量が増え、使える水が制約される現在、『水の惑星』と呼ばれる地球上に暮らしている責任を、いま一度考えてみる必要がある」などとした。アフターコロナを見据えて「『みんなで食卓を囲んで料理を楽しむ』ことや『食は楽しいもの』といった、食を楽しむ原点への回帰の兆しがある」と語った。(宇津木宏昌)