【動画】牛乳・乳製品に「癒やし」の価値も 酪農乳業界の課題やトレンドを記者が解説

牛乳・乳製品はコロナ禍で新たな問題と新しい価値観の狭間で揺れ動いている。従来は健康食品として消費者の手に取られていたが、現在は「癒やし」など情緒的な価値が徐々に高まりつつある。今回の「That’s番記者」では日本食糧新聞の牛乳・乳製品担当の小澤弘教記者が、市場の課題やトレンドなどについて解説する。

コロナ禍で業務用生乳の需要が低迷し、問題の1つとして浮上したのが「処理不可能乳」だ。Jミルクの試算によると、約5000tの生乳が処理不可能乳になる懸念が高まった。乳業メーカーは処理能力を最大化しフル稼働。岸田総理や農水大臣は消費者に異例の呼びかけを行い、コンビニや居酒屋なども消費に協力した。業界だけの取り組みだけではなく、年末年始をサプライチェーン全体で乗り切った。

余った生乳はバターなどの保存が効くものに変えたり、そもそもの量や頭数を減らせばいいのではないかという声もあるが、酪農家が得る利益やコストを考えるとクリアすべき点が多いのが現状だ。

また「コロナフレイル」の問題も指摘されている。運動不足でフレイルが進み、筋肉の量や質の低下を招き、人とのつながりが希薄になり、認知機能までも低下させる健康二次被害だ。この問題を解決すべく、再注目されているのが「牛乳宅配」だ。対面のコミュニケーションがコロナフレイルの解決へと導く鍵となり、メーカー各社も力を入れはじめている。

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