第42回食品ヒット大賞/第37回新技術・食品開発賞祝賀会 独自性・先見性・創造力に光
●力強い挑戦で需要喚起
ホテルニューオータニ東京で15日に開催された「第42回食品ヒット大賞」「第37回新技術・食品開発賞」の贈呈式および祝賀会には業界関係者約450人が参加した。両賞の選考委員長が選考経過を報告した後、食品ヒット大賞で「優秀ヒット賞」を受賞した日清ヨークの前田健二社長と、新技術・食品開発賞を受賞した新菱の土山正明社長が受賞企業を代表して謝辞を述べた。祝賀パーティーでは国分グループ本社の國分勘兵衛会長兼CEOが乾杯の発声を行った。
会場では新たな需要を掘り起こし、新価値創出や市場開拓に貢献した受賞商品が展示され、試飲・試食やサンプル配布などが行われた。(大屋良太、小澤弘教、篠田博一、本宮康博、山本仁、涌井実)
◇乾杯
●国分グループ本社・國分勘兵衛会長兼CEO 納得価格で売る努力を
ご受賞の皆さま、誠におめでとうございます。今年も残念ながら食品ヒット大賞は生まれませんでしたが、賞の基準が年間売上げ100億円超、モニター企業90社中30社の得点獲得とされていますので、大変に難しい。
昨今、小売トップの方から、これからは適正価格より、納得価格との声が聞かれます。技術を駆使して開発した商品をただ安売りするのではなく、消費者に価値を納得してもらえる価格で売る努力が欠かせません。納得価格を念頭に、次回は大賞が生まれるよう皆さまのご努力、ご研さんに期待しています。
◇来賓あいさつ
●経済産業大臣・元農林水産大臣 齋藤健氏 大阪万博で食テーマに企画
大阪・関西万博で、パビリオンの中に食をテーマにしたものがあります。
食を通して、命を考えるパビリオンができます。
例えば、命の売場というコーナーでは、人間が一生でどれだけ食べるのかという展示、未来の売場での冷凍食品の将来、小学生が未来のお菓子を考える企画もします。
皆さまも万博を忘れずにお願いします。
●参議院議員・前参議院議長 山東昭子氏 受賞契機により良い商品を
フランスの詩人であり、作家のサヴァランは「新しい料理法を発見した人は、新しい星を発見した人よりも人々を幸せにする」と言っています。
いろいろな会社の皆さまが、さまざまな分野でアイデアを駆使して商品を作っていることはすばらしいことだと思っています。受賞を契機になお一層、良いものを売り出していくことを心から願っています。
●衆議院議員・前農林水産大臣 宮下一郎氏 農業発展へ食品産業に期待
農林水産大臣を務め、農業発展に大きく後押していただけるのは食品産業と再認識しました。今国会でも農地所有適格法人に食品企業が出資し、共に発展する新しい道を開く法律を準備しています。日本と農業を元気にするためにも食品産業のリーダーシップを引き続き取っていただくようお願いします。
●衆議院議員・元農林水産大臣 石破茂氏 食品産業が日本をけん引へ
受賞の皆さま、おめでとうございます。審査に当たった先生にも心から厚くお礼申し上げます。
食品分野の方々が日本を引っ張っていく、本当にそうだと思っています。
日本でなければできないもの、そういったものを皆さまがつくって、それが世界を席巻する時が来るだろうと思っています。日頃の努力に敬意を表します。
●衆議院議員・元農林水産大臣 山本有二氏 農林水産物輸出拡大に注力
農林水産省は、農林水産物の輸出にかじを切っています。わたしも米国にタイやブリを売り込みに行ったところ、受賞企業の皆さまは自力で輸出していることに感激しました。米国での食事は日本の3倍の値段で、日本で100円のものが300円でも通用します。その差を利用して収益が得られるので、売り込んでいきます。皆さまにもご教示をお願いします。
●衆議院議員 宮路拓馬氏 多様性で日本の食を世界に
多様性のニーズに合った商品を提供していくためにも、事業者の皆さまにも社員の方々の多様性を確保していただきたい。受賞の中にも多様なニーズにマッチした商品が次々と開発されて、あらためて食品産業はダイバーシティとイノベーションが最も進んでいると思います。皆さまが良い商品を開発し、日本の誇りとして世界に広がることを期待しています。
●前衆議院副議長・赤松広隆氏
◇閉会あいさつ
●日本食糧新聞社代表取締役社長 杉田尚 食産業の発展・活性化期待
本日は多数のご参加を賜り、誠にありがとうございました。
残念ながら、昨年に続き「ヒット大賞」不在の年となりましたが、いずれの商品も新しい価値を創造し、革新的技術が光った差別化商品ばかりです。明日の食品産業の発展・活性化に、大いにつながるものと期待しております。