新型コロナ 海外の出口戦略・オーストラリア編(上)モリソン首相が3段階ロードマップ推進

総合 連載 2020.05.18 12052号 04面
シドニー郊外のアジア人の住人が多い街チャツウッドの中国料理のレストラン。営業可だがテークアウトのみを選択

シドニー郊外のアジア人の住人が多い街チャツウッドの中国料理のレストラン。営業可だがテークアウトのみを選択

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で、各国が国民の命と経済の深刻な影響からの脱却に向けた出口戦略を模索している。これまで行ってきたロックダウン(都市封鎖)や緊急事態宣言など新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ行動規制を解除する動きが加速している。オーストラリアでは、スコット・モリソン首相が8日、7月までに新型コロナウイルスに対して安全な経済を実現するとの目標に向けて、これまでの制限措置を3段階で緩和していく「新型コロナウイルスに対して安全な豪州のためのロードマップ」を発表した。外出の自由や企業活動など措置緩和と、その支援アプリについて3回にわたって解説する。(山田由紀子)

 同ロードマップは3週間後に各州首相(日本の知事に相当)と協議し、第2、第3段階の内容を見直し、必要に応じて調整。これを踏まえて各州の首相が、それぞれの計画を発表する。新規感染がゼロのところは、シドニーやメルボルンがある州より早く、次の段階に進む見込み。

 8日時点で、オーストラリアは感染者数6927人、回復者数6035人、死者97人。感染経路が分からず、ホットスポット(クラスター)に指定されて、地域の感染検査を徹底している所は数ヵ所のみと一応の落ち着きを見せている。

 モリソン首相は8日に行われた国家内閣会合後の記者会見で、「われわれはウイルスとの戦いに勝利しつつあるが、人が動き始めると感染者が出るのは必須。感染者の発生、あるいは社会規制に違反した場合は、施設、地域を一時閉鎖。感染が広がっていないと確認できるまで一時閉鎖して対応する」と述べた。

 さらに、政府は国民に対して、出掛けるときは自分が感染していることを想定して行動するように、繰り返し注意を呼び掛けている。

 ステップ1、2、3いずれの段階においても、1.5mのソーシャル・ディスタンス(社会的距離)、衛生管理(手洗いや咳エチケット)、軽症の風邪の症状がある場合は検査を受ける、検査結果が出るまでは自宅で自主隔離を行う。また、新型コロナウイルス追跡アプリ「COVID Safe」の登録利用を推奨する。

 現在実施中のステップ1は、重要な最初の小さなステップとして家族や友人とともに、家庭や地域での集まりが可能。また、営業を再開し、現在より多くの人が職場に復帰することを目指したもの。

 職場での感染対策をはじめ、雇用者、従業員への新型コロナウイルスに対しての安全対策を立てるなどいくつかの条件は付与されるが、就業は可能。カフェ・レストランは10人までの収容が認められたが、20人以上でなければ採算コストが合わないとして、オープンしない店もあるという。

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