FABEX2022:主催者特別セミナー ローソン・長谷川泉氏 ステークホルダーと連携必要

ローソンの長谷川泉SDGs推進部主事

ローソンの長谷川泉SDGs推進部主事

ファベックス2022の主催者特別セミナーで、ローソン経営戦略本部SDGs推進部主事の長谷川泉氏は「環境ビジョンLawson Blue Challenge 2050!~“青い地球”を維持するために!~」と題し、社会や環境課題への取組みを紹介した。

同社はCO2排出量と食品ロスとプラスチックの削減を30年と50年に達成する長期目標を設定。50年に1店当たりCO2排出量と食品ロス、プラを100%削減する目標で、さまざまな取組みを進めている。すでに具体的な成果ではフロン不使用で自然冷媒を使用した要冷機器は温室効果ガス排出が低く省エネ効果も高い。この機器は22年2月末に約4600店に導入し、この実績は世界でトップクラスという。新たな取組みでは店舗敷地外の太陽光発電からの電力活用も開始。三菱商事の協力を得て約3600店に500ヵ所からの電力を活用し、1年間でCO2を約1万9000tの削減を見込む。配送でもAI(人工知能)活用で配送ダイヤを自動作成し、CO2削減に取り組む。

プラ削減では包装容器を紙にしたり、薄くしたりして削減している。入れたてコーヒーもアイスカップを紙にし、タンブラー持参客には10円引きで提供。今年4月からは都内でコーヒーカップのリユース実験に参画した。21年7月からはキリングループと共同でPETボトル回収実験を開始した。レジ袋削減はすでにレジ袋辞退率は約75%に達し、今年4月からのプラスチック資源循環促進法に対応し、持ち手を短くした穴あけスプーンの導入など実施している。

食品ロス削減では店での売り切りを進め、AIも活用して値引き販売も実証実験している。約8300店に導入の店内厨房を広げ、製造管理や値引き販売でロス削減に努めている。それでも出てしまうものはフードバンクなどへ寄贈も進める。

長谷川氏は「1社だけの努力では解決が難しい。人権尊重など始めたばかりの取組みで、サプライチェーンで取引先の協力が不可欠で、さまざまな企業や団体と連携したいと考えている」と協力を訴えた。(山本仁)

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