CVS、おにぎり商戦に熱気 三者三様で行楽需要狙う

ニュース 小売 2023.03.20 12551号 01面
セブンイレブンは記者発表会で新商品を披露。左からセブン-イレブン・ジャパンの青山誠一取締役常務執行役員、八代目儀兵衛の橋本儀兵衛社長、武蔵野の安田信行社長

セブンイレブンは記者発表会で新商品を披露。左からセブン-イレブン・ジャパンの青山誠一取締役常務執行役員、八代目儀兵衛の橋本儀兵衛社長、武蔵野の安田信行社長

ファミリーマートは日清食品とコラボで商品化。日清食品の猪井正史氏(左)とファミリーマートの田澤勲氏

ファミリーマートは日清食品とコラボで商品化。日清食品の猪井正史氏(左)とファミリーマートの田澤勲氏

好調なローソンの日本おこめぐりシリーズの「富山県産米富富富使用牛しぐれ煮(黒毛和牛使用)」

好調なローソンの日本おこめぐりシリーズの「富山県産米富富富使用牛しぐれ煮(黒毛和牛使用)」

 春の行楽で需要が高まるおにぎり商戦を巡って、CVS各社の商品開発が熱気を帯びてきた。13日からマスク着用が個人判断となり、さらに人流の活発化が見込める中、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンは三者三様のアプローチでしのぎを削る。

 セブンイレブンはおにぎりで初めて専門家の監修を受け、ご飯の品質向上を徹底的に追求した。「京の米老舗 八代目儀兵衛」監修の「こだわりおむすび」はコメのブレンドを厳選し、精米も従来より低温にしてコメの風味や甘味を引き出した。15日の発表会で、監修を担った八代目儀兵衛の橋本儀兵衛社長は「従来のコンビニのおにぎりとは違う」と太鼓判を押す。青山誠一セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)取締役常務執行役員も「コメの革命を起こしたい」と強い意気込みだ。商品を製造する武蔵野の安田信行社長は「ブレンドすることでご飯のおいしさを出すことを学んだ」と話した。新商品は「八代目儀兵衛監修 昆布だしで炊いただしむすび」など4品で全国2万1402店で21日から発売する。4月中旬には手巻きのおにぎりも発売するほか、弁当などでも儀兵衛監修のコメを使用し、ご飯メニュー全体を進化させる考え。

 ファミリーマートは日清食品の「日清のどん兵衛」と「日清焼そばU.F.O.」とコラボしたおむすびを開発した。21日から発売する「どんぎつねむすび」はどん兵衛こだわりの東西で味分けした「Wだし」が香るごはんにジューシーな1枚おあげをトッピングした。おあげの味も東西で分けて、どん兵衛と同様のこだわりだ。「U.F.O.濃い濃い濃厚そばめし」は焼そばU.F.O.ならではの濃厚ソースを再現するため、オリジナルの香味オイルを活用した。

 ローソンは昨年の7月から順次発売している希少なブランド米を単一で使用したおにぎり「日本おこめぐり」シリーズや11月から発売の具材がご飯の半分の重さの「具!おにぎり」シリーズが好評だ。

 おにぎりはCVSの最重要商品だ。SEJの青山常務も「複数のおにぎりや飲料やサラダなどとの買い合わせも多い。おにぎりを目的に来店してもらえれば、売上げにつながる商材と考えている」と話す。各社とも品質の向上、新たな企画など商品開発に注力してきたが、これからも進化は続きそうだ。(山本仁)

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