丸美屋食品工業、20期連続増収へ 「ふりかけ・釜めし」がけん引

調味 ニュース 2019.06.21 11896号 01面
ふりかけキャンペーン当選者を抽選する阿部豊太郎社長

ふりかけキャンペーン当選者を抽選する阿部豊太郎社長

丸美屋食品工業は今上期、20期連続の増収で折り返しそうだ。1~5月業績は前年比微増。中華調味料の苦戦を、好調なふりかけ、釜めしの素が補った。トップブランドを複数持つ強みを発揮した。春の消費者キャンペーンも行って後押し。全社は予算未達とし、追加広告などテコ入れする。

1~5月売上げを前年比1.2%増と伸ばした。「麻婆豆腐の素」といった中華群は3%減。ふりかけ3%増と釜めし・和風即席6%増で埋め合わせ、上回った。単体売上げ約100億円と大きい「麻婆豆腐」が4%減と落ち、伸び率が抑えられた。長年の増収要因は、消費の底堅いコメ関連のカテゴリーで誇るトップシェア。今期もそれぞれが支え合い、安定成長を果たした。

「麻婆豆腐」の苦戦は野菜安による需要シフト、6年連続増の前年からの反動減による。「麻婆茄子の素」は4%増と伸ばし、高級志向の「贅を味わう」3%増、具入りつゆの「麺用ソース」16%増とサブカテゴリーを拡大させた。「贅」は「麻婆豆腐」中心に展開し、「麺用」は新商品の「麻辣麺」が1~5月売上げ5000万円と順調。国分太一を起用した「麻婆豆腐」の新CMもSNSなどで反響を呼び、麻婆人気とブランディングに揺るぎはない。

ふりかけは「のりたま」が微減したものの、50周年企画中の「味道楽」が9%増。「混ぜ込みわかめ」6%増、「ソフトふりかけ」3%増と主力品を増やした。「混ぜ込み」は新商品の「おかかチーズ」が8500万円を売り上げてヒット。「牛わさび」は売上げ6300万円、「タレふりかけ」3500万円とほかも続いた。釜めしはメーンの「とり」が微減し、「五目」は4%増。セット米飯を40%増と大幅に伸ばし、小世帯化の動態変化をとらえた。

通年で最大応募数を集める「春のふりかけキャンペーン」は3月~5月9日に実施。今年は前年比1%増の応募161万8000通を得て、景品のスロークッカーやバルミューダ、Nintendo Switchなどが人気だった。増収推移も通期目標3.6%には届かないと7月から、「麺用ソース」の交通広告などを新たに行う。釜めしは得意先ごとの取組みを強め、秋の新商品も充実する。(吉岡勇樹)

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