缶詰・瓶詰・レトルト食品特集

缶詰・瓶詰・レトルト食品特集:瓶詰=好調ジャムと海苔で明暗 進む付加価値化

びん・缶詰 2019.09.23 11945号 11面

瓶詰は主力のジャムが好調に推移し、苦戦する海苔佃煮と明暗を分けた。ジャムは用途をパン、ヨーグルトからチーズ、肉へ拡大。価値・価格の同時向上も順調とみられる。海苔は毎年の原料高で価格訴求が控えられ、希少感も徐々に深化。付加価値提案も深まり、嗜好(しこう)品としての味わい評価が進んでいる。

ジャムは昨年、家庭・業務用市場でともに微増。一般的な低糖度ジャムは軟調だが、果汁で仕上げたスプレッドなどの高付加価値品が、着実に支持を得ている。単価とともに商品価値も向上している。主用途はもちろん食パン向けだが、ヨーグルト市場も健康志向が深まって高止まりしている。

次の成長市場と期待が高まっているのがチーズと食肉。チーズは輸入価格の低下もあって、市場は毎年加工最高を更新。ジャムとの相性提案も店頭販促が進み、徐々に浸透している。牛・豚肉との適正を伝える新商品も登場。人気食材の成長と歩調を合わせる。

海苔佃煮は主に原料を国産アオサに頼り、減産が喧伝される黒海苔用以上の不作が続く。一昨年に価格改定したが、高齢化した生産・養殖業界では好転は望めない。売場では価格訴求を控えながらの価値提案、売価上昇を推進。

NBでも大森屋の「オリーブオイル漬け」、ニコニコ海苔の「無添加」といった従来なかった価値提案が生まれ、高付加価値・高価格商材という地位を築きつつある。

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