食酢市場、飲用が調理用を逆転 まろやか・健康機能で価値向上

調味 ニュース 2022.04.04 12382号 01面
CJの「美酢」はゼリーでもCM放映、回復したアウトホーム需要にも応える

CJの「美酢」はゼリーでもCM放映、回復したアウトホーム需要にも応える

 家庭用の食酢は飲用市場が調理用を上回りつつある。需要期の上期はすでに20年から飲用294億円、調理289億円と規模を逆転した(Mizkan調べ)。即食・簡便性で勝り、飲用トップのCJの「美酢(ミチョ)」は年間売上げ100億円超。まろやかな酸味で支持され、美容志向にも応じた。降圧効果などMizkanが伝える「酢の力」の認知率は20%以下とまだ低くて伸びしろがある。コスト高による値上げも視野に、現代に合ったマイルドな味わい、健康機能の体験促進、価値向上が進められている。

 飲用習慣のブームは2000年ごろの黒酢から始まり、10年の果実酢と10年周期。近年の定着はCJフーズジャパンの「美酢」の17年からの一般小売、Mizkan「フルーティス」の20年発売が貢献している。

 果実酢が甘く、飲みやすいと人気になり、飲料市場は17年から倍増。21年上期も飲料255億円、飲用生酢57億円の飲料合計312億円に伸ばした。通年でも調理用と20億円弱の僅差まで迫っているとみられる。

 「美酢」は酵母・酢酸発酵した果実酢を用い、酢カドが全くない、誰もが飲みやすい味わい。主にホールセールのサンプリングで味わいをじかに伝え、コロナ共存ではインスタグラムのフォロワー10万人で体験を共有する。

 消化や代謝促進、脂肪減少といった美容効果への期待を、端的な商品名、韓国大手のブランド力でとらえた。オリジナルの希釈タイプだけで21年売上げは100億円を超えるとみられ、20代女性といった若年開拓も果たしている。

 調理用酢は内食増の20年から反落し、家計の支出減もほかの調味料より著しい。汎用性を高めた調味・加工酢は堅調に推移し、輸出や業務用で赤酢人気が沸騰するなど、好材料も少なくない。基礎調味料から嗜好(しこう)品とされないため、独自価値である酢酸の機能性を伝え、市場の底上げが求めらていれる。

 トップメーカーのMizkanは「酢の力」コミュニケーションを進化。今年から「みんなのお酢活」として、毎日15mlの効能を体験してもらう。有名な高血圧の降下作用も認知率は19%。CM投下のほか、社員を交えた体験談、お酢好きのインフルエンサーの摂取法などを発信する。ほか内臓脂肪の減少、食後血糖値の抑制も合わせて実感してもらう。原材料高による改定も控え、市場価値も高める。=関連記事「食酢・食酢ドリンク特集」(吉岡勇樹)

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