海外通信 外食ビジネスの新発想(41)売り切れ御免が続く幻の餅クッキー
●外はほっこり、中はもっちり 餅+クッキー=ムーク
アメリカ人は餅(もち)が大好き。とはいえ、一般に知られているのは餅で包んだアイスクリーム、すなわち日本の「雪見だいふく」の類似品だ。かつて味わったことのない新しい感覚のもちっとした食感が人気を呼び、今やスーパーでもいろいろなフレーバーがたくさん売られている。
さて、今回紹介するのは、クイーンズの3人の若者たちが始めたオンラインのスイーツショップ「ザ・ボイス・カンパニー」の餅クッキー。餅フィリングの入ったクッキーで、餅+クッキーから“ムーク”という呼称が付いている。ニューヨークのエンターテインメント誌やテレビなどで紹介されて一躍知られた存在になり、1ヵ月先の注文もすぐに埋まってしまう。生産は需要になかなか追い付けず、Webサイトに出ている次の予約受付開始日時を狙って注文するしかない。今まではクィーンズのピックアップか限定的なデリバリーのみだったが、全米に向けたシッピングも始めた。
ショートブレッド風のクッキーに餅フィリングが入っており、オーブンで温めると、中の餅が軟らかくなり、のびのび、もちもちの食感が楽しめる。クッキー地は、ほろほろ、サクサクしているので、そのコントラストが面白い。
紫イモの餅フィリングを包んだ紫イモのクッキー、抹茶餅フィリングを包んだ抹茶クッキー、ソルテッドキャラメル餅フィリングを包んだソルテッドキャラメル・クッキーの定番3種類があり、ほかにシーズナルの1種類がある。現在は、パインアップルの餅フィリングを包んだピナコラーダ・クッキー。これまでもタイ紅茶餅フィリングを包んだタイ紅茶クッキー、抹茶餅フィリングを包んだイチゴのクッキーなど、季節に合ったフレーバーを作ってきた。
6個入りは各フレーバーとも1箱12$。25個入りのバラエティー・ボックスは35$。
ワクチン接種が進んでいるとはいえ、まだ続くコロナ禍で家にいることが多い。こんな時だからこそ、ささやかな食のぜいたくは生活を潤してくれる。新しい食体験を提供し、なごみのひとときを提供してくれる餅クッキーの人気は、まだまだ続きそうだ。
●店舗情報
「ザ・ボイス・カンパニー(The Boiis Co.)」