数字で読み解くフードサービストレンド:飲食店のランチの1人当たり客単価は、お一人さまで増加
新型コロナウイルス感染拡大によって、飲食店が大きな影響を受け始めてからすでに1年半以上が過ぎ、今後の回復に向けて、自店のポジショニングを改めて見直すことが重要な局面になっています。今回は、ランチ戦略のための平均客単価を見てみます。昼食は、コロナ禍で夕食の売上げが減少する中、飲食店にとって売上げの4割以上を占める、最も大きな食機会となりました。
エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス『CREST』で、2021年1~8月計の飲食店における昼食の1人当たりの客単価を見てみると、首都圏のイートインの客単価は994円で、テイクアウト(デリバリー除く)は642円でした。イートインの方が約1.5倍も高いことがわかります。また、首都圏のイートインは、京阪神より2%、その他の地域より6%高いのです。
コロナ前の19年同期と比べると、イートインでは地域により2~3%上昇しましたが、19年10月に消費税が8%から10%になったので、その増加分とあまり差がありません。ただ、イートインでも一人客は、客単価が低めではありますが、コロナ前より5~7%上昇しています。テイクアウトは、首都圏では客単価が減少しましたが、一人で食べるためのテイクアウトは、約11%も上昇しました。また、テイクアウトは「1人」の方が全体より客単価が高くなっています。
一人客は、コロナ禍で客数に占める比率も増加していますが、客単価も上昇していることから、一人客をターゲットにした施策などをしていくことが、回復の助けになりそうです。
(エヌピーディー・ジャパン 東さやか)