アポなし!新業態チェック(180)「創作うどん専門店 いちだん」マルイファミリー溝口店
●第一興商、創作うどんの新ブランド 同社初のフードコート対応業態、フードホールでディナー時間帯も
3月、カラオケ事業と飲食事業を展開する第一興商が、創作うどん専門店の新業態「いちだん」を神奈川県川崎市にオープンした。同店は同社では初となるフードコート対応業態。百貨店「マルイファミリー溝口」の2階にあるフードホール「HARA8(はらっぱ)」への出店だ。
同店のうどんは、北海道で生産される小麦の主力ブランド「きたほなみ」の粉をブレンド。麺は280gというポーションで提供する。定番の「かけ」「ぶっかけ」(各430円)、「釜玉」(500円)といったアイテムのほかに、「和風だし」「カレー」「ミートソース」「クリームソース」「野菜」という5つの味のカテゴリーがあり、全部で20種類以上のうどんメニューが用意されている。
それぞれのカテゴリーごとに、とろろめんたい、オクラ、納豆、しらすなどをのせた「彩り8色のねばとろうどん」(温・冷、各850円)、特製チーズソースとカレーを組み合わせた「豚しゃぶチーズカレーうどん」(990円)、粗びきひき肉を使用した「粗挽きミートソースうどん」(850円)、カルボナーラ風に仕立てた「温玉とベーコンの濃厚カルボナーラうどん」(990円)、鶏白湯をベースにした「5種野菜の濃厚タンメンうどん」(880円)といったユニークな創作うどんを取り揃えた。
トッピングの天ぷらや、サイドメニューの「茶碗めし」、ソフトドリンクからハイボールやサワーまで、老若男女が時間帯を問わず楽しめる新スタイルのうどん店となった。
(価格はすべて税込み)
★けんじの評価:女性客の利用多く、今後に期待がかかる
同店が出店する「マルイファミリー溝口」のフードホール「HARA8」は、2019年の11月下旬に開業した新しい飲食ゾーンだ。従来のフードコートと仕組みは同じだが、寿司や焼肉、ビアスタンドのような夜間の飲酒利用にも対応した店舗が含まれている。米国発祥のフードホールとは少し異なるが、近年日本の商業施設ではこうしたテナント構成のフードコートをフードホールと呼んでいる例が多い。
「マルイファミリー溝口」が核テナントとして入居する商業施設「ノクティプラザ」の1階には、既存のフードコートがある。こちらは、「ドトール」や「KFC」「サブウェイ」「ミスタードーナツ」など大手ファストフードが出店する従来型だ。今回の臨店は平日の昼時だったが、この時1階のフードコートは満席、2階の「HARA8」は6~7割ぐらいの入りだったように思う。ディナー時間帯には逆転するのだろうか。
「いちだん」は商業施設に向いたブランドと思う。こうしたメニューは女性客に好まれそうだし、臨店時にもテナントの従業員など女性の一人客が多いように感じた。メニューには独自性があり、新商品の開発余地も大きい。そもそもメニューで競合するブランドが少ない分野なので、ディナー時間帯にも利用客が多ければ多店舗化できる強力なブランドになりそうな気はする。今回の店はフードコートなので他店のドリンクなどと併せて注文できるが、独立店になるとどうだろうか。いずれにしても、注目に値する新ブランドと感じた。
◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。
●店舗情報
「創作うどん専門店 いちだん」マルイファミリー溝口店
開業=2022年3月10日
所在地=川崎市高津区溝口1-4-1 マルイファミリー溝口2階
編集協力:株式会社イートワークス
http://www.eatworks.com/