業界TOPICS:モスバーガー 購買層の変化で女性客を呼び込む
●ポテトから「コメ」「鶏肉」「代替肉」へ
モスバーガーでは9月中旬までの期間限定で、7月から同店の看板商品である「モスバーガー」をアレンジした「白いモスバーガー」を販売展開している。従来のモスバーガーからマヨネーズを抜き、4種類の真っ白なチーズソースを断面を覆うようにたっぷりとかけた、見た目にも映える一品だ。「SNS映えするのにおいしい商品」を目指し、若年層や30~40代の女性客を主要ターゲットにしている。
このコロナ禍を経て、モスバーガーの購買層にも変化が生じた。モスフードサービスの安藤芳徳上席執行役員によると、「リモートワークが定着し、主要購買層だった40~50代のサラリーマンが『日常的には外食店を利用しなくなった』『オフィス付近の店舗を利用する機会がなくなった』ことによる影響は大きい」と言う。一方で、子どもやリモートワーク中の夫の分も含めてテイクアウト購入する30~40代の女性客が急増。そうした事情からも、同店では今後、若年層、30~40代の女性客など、これまで同店をあまり利用しなかった層の呼び込みを強化していく方針だ。
新感覚のサイドメニュー「枝豆コーンフライ」も11月中旬までの期間限定で販売中だ。同品は枝豆とコーンを成型し、上新粉とパン粉の衣を付けて揚げた、もっちりとした食感と枝豆とコーンのあっさりとした味わいの、スナック感覚のメニュー。
同品を打ち出した背景には、輸入ポテトの安定供給が困難な状態が続いている事情がある。これまでセット商品のアイテムやサイドメニューというと「ポテト一強」だったが、ポテトの相場が安定せず、入手しづらい現状、同店では「ポテトだけに頼らないサイドメニュー」の新商品開発を推し進めていく。
もともと同店では業界に先立って、プラントベースのバーガーなどもいち早く商品開発してきたが、今後は「輸入事情がさほど影響しない『コメ』『鶏肉』『代替肉』をキーワードにサイドメニューを考案中」(安藤氏)と言う。
【写真説明】
写真1:「枝豆コーンフライ」とセットドリンクを付けた「夏トクセット」は790円。「セット価格が比較的高め」といわれる同店だが、同セットは通常価格から200円以上お得。これまでにない大きなセット値引きだという