数字で読み解くフードサービストレンド:値上げ後もこれまで通り利用する人は半数以上

2022.10.03 524号 06面

 原材料価格や物流費の高騰を受け、食品・サービスなど幅広い分野で値上げの動きが広がっています。値上げに踏み切った企業も、踏み切りたいけど顧客を失うのではないかと躊躇している企業も多いのではないかと思います。

 外食・中食市場情報サービス「CREST」を提供するエヌピーディー・ジャパンが7月に実施した自主調査「センチメントスタディ」で、値上げに対する意識を尋ねました。

 「現在利用している飲食店のメニューが値上げされた場合、どのような行動をとるか」を複数回答で聴取したところ、「これまで通り利用する」と回答した人は、カフェの利用に対しては60%、居酒屋では53%、ディナーレストランでは55%と半数以上に上りました。「その店を利用しなくなる」と回答した人は5~8%にとどまりました。顧客を失うリスクは5~8%程度ということがわかります。ただ、「行く回数を減らす」と回答した人は約2割でした。これは、特にヘビーユーザーが多い店では客数減に直結します。繰り返し来てもらうキャンペーンや施策が重要です。

 また、すべてのメニューを同率で値上げするのではなく、最もよく売れている低価格のメニューの値上げ幅を他のメニューより小さくする、より安い価格帯で販売できる新メニューを導入するなどの工夫も効果的でしょう。

 (エヌピーディー・ジャパン 東さやか)

【グラフ】値上げに伴う利用意向の変化

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