「もつ鍋」 女性にうける低カロリー 香港では高級料理
《種類と呼び方》 「もつ」と一口に言ってもその種類は多い。現在、日本でよく食べられているのが肝臓や心臓、腎臓、腸といったところ。それに比べヨーロッパや中国、東南アジアでは、実にたくさんの臓物料理がある。肉身とは別種の独特の味をもち、噛めば噛むほど味が出て、煮込めば煮込むほど肉が柔らかくなる臓物のおいしさは、肉食国ならではのおいしい発見といえる。
フランスの肉屋では、日本のように肉を上・中・並とクラス分けせず、頭からシッポまで、部分で分けて売っている。また、臓物だけを扱う肉屋もある。香港ではもつ料理は高級料理として珍重されているほどである。それほど臓物は、世界で一般的なものなのである。
栄養価としては、どの部分も一般にビタミンや鉄分が多いので、貧血気味の人、とくに女性によい。肉に匹敵するタンパク質を含み、脂肪が少ない低カロリー食品でもある。
加えて、もつは香りの強い野菜と相性が良い。香りの強い野菜、例えばニラは、消化を助け、スタミナ増進に役立つビタミンの宝庫。まさにもつ鍋は、栄養いっぱいのヘルシー料理の代表といえる。
ちなみに「もつ」の各部の呼び方をあげてみる。肝臓‐レバー、心臓‐ハツ、胃‐ミノ(ガツ)、すい臓‐シビレ、腸‐ヒモ、子宮‐コブクロ、腎臓‐マメ、直腸‐チッポウ、ひ臓‐チレ、舌‐タン、尾‐テール。
「もつ鍋」専門店が脚光を浴び全国的に広まっているが、㈱鬼が島本舗(092・844・0756)が一般用に発売。好評のもつ鍋セット四~五人分三六〇〇円
▼内容▲牛もつ肉…二〇〇g×二、キャベツ…三〇〇g×二、ニラ…八〇g×二、チャンポン麺…一四〇g×四、ニンニク、唐辛子、濃縮つゆ…二〇〇㍉㍑
■もつ鍋の作り方
①各もつをきれいに洗う。
②鍋にダシ汁を入れ、もつを入れる。ダシ汁は主に醤油味。味つけがポイントで、各店企業秘密。
③沸勝したら、ニンニク、唐辛子を入れ、その上にザクザク切った山盛りの白菜、ニラを入れてあとはグツグツ煮込む。野菜がしんなりして味がついたら出来上がり。