鮮魚店の外食参入・新鮮、割安で人気上々 「TOTO寿司」仕入れは他店の半値
神奈川県下に鮮魚チェーン一〇店を手がける魚勝水産(株)は、鮮魚販売のサービス特化を目的に宅配ずし「TOTO寿司」を展開している。鮮魚チェーンならではの一括仕入れ、目利きを生かした低価格、高品質が売り物で、月商一〇〇〇万円の繁盛ぶりだ。現在の三店舗を足がかりに多店舗化も狙っている。
「鮮魚小売はDS型、SM型、百貨店型など業態別にサービスの棲み分けが進んでおり、それぞれが独特なセールスポイントを打ち出している。すしなどの魚の加工(料理)は一般小売業態のサービス強化のひとつ」(田沼勝一社長)とし、宅配ずしはあくまでも鮮魚販売の延長線上にあるという。
見ものは一般すし店に勝るとも劣らぬ品質と、相場の約半額という低価格。鮮魚チェーンのスケールメリットを享受して仕入れ価格は一般すし店の半額。宅配、テークアウトの両輪で回転もよく素材は常に新鮮。スシロボによる握りも評判は上々だ。売れ筋は四~五人前で客単価は四〇〇〇~五〇〇〇円。リピーターが途切れず販促(ポスティング)を控えるほどの手応えを得ている。
また、宅配ずしの展開には従業員の高齢者対策もあるという。「鮮魚店は威勢の良さが売り物で体力が勝負。従業員の働き盛りは三〇~四〇歳まで。四〇歳以後の従業員が、それまでの実績を生かして働ける環境が必要」というわけだ。
既存の事業展開を効率的に特化した同店だが、宅配ずしの飲食事業としてはどこまでノウハウを構築できるかが楽しみだ。
宅配ずし「TOTO寿司」本部(神奈川県横須賀市、0468・25・4836)