新野菜最前線 脚光浴びる「ベストモヤシ」 進む品種改良

1996.06.03 102号 23面

昔ながらの野菜も、今や食べ手の嗜好に合わせどんどん品種改良されている。そうした中、注目されているのが成田食品(株)(相馬市成田、0244・36・7777)の「ベストモヤシ」。新タイプのモヤシは、ひ弱の代名詞だったものを、太く、たくましいイメージに塗り替えた。その品質はシェフの間でも高く評価されている。

豆モヤシの歴史はかなり古いと考えられる。古代日本では、モヤシを薬用としていたようで、平安時代の薬草本「本草和名」に、毛也之(もやし)と記されている。

歴史は下り、南北朝時代、楠正成が千早城や赤坂城で篭城の際、将兵に豆の芽を食べさせ敵陣の重囲に耐えたとか、大陸から長崎の商人に豆モヤシの製造法が伝えられたとか、といった風説はあるが、その実は定かではない。

ただ豆モヤシの発祥地は、長崎モヤシ、水前寺モヤシ、鹿児島モヤシ、仙台モヤシ、温泉モヤシと呼ばれるように、長崎地方と東北地方が知られるところ。

雪の多い東北地方では、積雪時の野菜として自家栽培が行われ、特に、米沢の小野川温泉では、温泉熱を利用した豆モヤシの栽培が盛んで、民謡にも「小野川の豆もやし」と謡われるほどである。

土地の古老の話によると、大名料理には欠かせない雁の吸物の青菜として珍重されていたが、庶民には縁遠い存在だったようだ。

このようなモヤシも、明治末期頃から大都市に専業者が現れ、中華料理店から八百屋へと普及していった。

モヤシは、もともとが安い食材のため、芽やヒゲ根を取り除くなど手間暇かけて値段をとっていた。

ベストモヤシは、こうした手間の要らないモヤシらしからぬモヤシ。アクがなくシンプルなだけに生かしがいのある食材である。

動物蛋白と合わせてあんかけにしたり、ワンタンの皮とチーズと合わせ油で揚げるなど、定番ものにこだわらないメニューづくりができる。

従来のものは細くて、調理をすると目減りがする。

ベストモヤシは形も真っ直ぐで、調理をしても形が崩れず、触感もシャキシャキして食べ応えがある。青椒肉絲、フカヒレ、ステーキメニューにと汎用性は広がり、癖のない食材だけに組合せが楽しめる。

モヤシはもともと水分の多い食材。炒めるとぐったりするのが常識だった。

ベストモヤシは、炒めてもへたらず、シャキシャキと清涼感がある。タレの色も染み込まず、程良い色合い。

肉との相性は抜群。炒めものだけでなく、乾燥エビ、一味唐辛子を合わせた和え物などに良い。

いろいろ使ってみて、改めてモヤシのうまみを知った。

うちではモヤシの料理は少ないが、麺料理にはよく使う。

ベストモヤシは、形は真っ直ぐ、しっかりしている。たかがモヤシと思ったが、炒めてもぐったりせず、食べても歯応えがあり、高級料理にもレパートリーが広げられそうだ。

ほとんどが水分のモヤシは日持ちせず、水に浸けるなど管理が面倒だった。

ベストモヤシは日持ちが良い上、ヒゲ根もなく掃除の必要がない。無駄がないので割安感がある。

しっかりした素材を生かしフカヒレスープの身に、また干し貝柱とともに使える。これからの季節、シンプルに塩、コショウ、ゴマ油で味付けした生春巻きメニューに良い。

成田食品では今、「ベストモヤシ」の無料ご試食キャンペーンを実施中です。是非、この機会にモヤシの歴史を変えたといわれる新・野菜感覚の食感をお試しください。必ずプロの皆様のご期待にお応えします。

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