そば・うどん特集 「そば梅本」 支持される味・安さ・早さ
そば梅本(本社=東京・神田、03・3861・8611)も、富士そばと似た立地展開で、ビジネス街や学生街での出店が基本だ。現在直営二三店、FC二店を展開している。
出店形態は立食スタイルだが、従来の“スタンドそば”のイメージでは集客力が落ちてきているので、老朽化している店から順次リニューアル、新規出店についてもイスを設けるほか、高級感のある店づくりを進めている。
「競合が熾烈になってきていますから、昔の古ぼけた雰囲気では取り残されて、つぶれることになります。とくにコンビニは脅威ですから、これに客をとられないためにも、店をファストフード店のように明るく、清潔感のある店にしなくてはと考えております」(そば梅本外食事業課佐藤徳博課長)
この考えで成功しているのが、新宿店だ。この店は小田急エース北館のショッピング街に位置しているが、オープンは三〇年前。
老朽化していたので三年前にリニューアルし、目かくし付のテーブルと淡いベージュ色の壁面にした。
イスなしの立食スタイル(土・日に限ってイスを出す)だが、常連のサラリーマンに加え、OLや買い物客の女性が来店するようになった。
土・日は周辺の会社が休みになるので、客数は平日の六割ほどに落ち込むが、それでも一日当たり二四〇〇~二五〇〇人もの来店があり、同社の“ドル箱”店としての存在にある。
このうち女性客は三、四割を占める。メニューはそば・うどんに加え、ラーメンも提供しており、客の麺食ニーズを満たしている。
メニュー単価は二八〇~三〇〇円がボリュームゾーンだが、高いものでも五〇〇円(ラーメンカレーセット)という低価格さだ。
うどん・そばはゆで麺、ラーメンは生麺だが、そば・うどんのつゆは「かえし」(つゆの元)で、これを店で取ったカツオのだしで割る。
麺もかえしも草加(埼玉)の自社工場から一日二回配送されてくるので、常に鮮度は高い。
客単価三五〇円。一日八〇万円以上を売るという計算になるが、売上げ構成比はそば五割、うどん二割、ラーメン三割。
味と安さ、これにクイックサービス(温かいもので一二、三秒、冷たいもので四〇~四五秒)を加えて、客の満足度を得ているということだ。シビアな女性客が多く来店するということは、それを証明していることになる。
営業時間平日午前7時~午後10時、土・日午前7時~午後9時30分。