トップインタビュー フォーシーズ代表取締役・浅野秀則氏
デリバリーピザは景気の影響を受けるのがワンテンポずれている。それに震災、オウム、住専の社会不安も重なった。ダブルパンチを受けた前年に比べると今年は好材料が揃っている。ノウハウ再構築やアイテム開発意欲に拍車がかかり、以前よりも業態全体に厚みが出ている。
底打ちの厳しさを体験したことは、ステップアップのハードルであったと捉えるべき。景気が上向くのはこれからが本番だと思う。
なかでも定番化が進むクリスピークラストは市場活性化、拡大を狙う好材料だ。
当社のマーケティング調査では認識度は二〇%。ヘビークラストの対象外であるスナックユーザーを新規につかむ好機であるし、既存ユーザーの飽き離れの歯止めにもなる。
テストでクリスピーは辛口、ミート系のトッピングと相性がいいことがわかった。マヨネーズなど甘口はだめ。クリスピー対策として、今後は辛口、ミート系トッピングアイテムを増やしていく。
今後は関西圏へ本格的に進出する。昨年の調査では、関西の当社の認識度は一〇%。今年TVCMの影響で五〇%にはね上がっている。CM効果の追い風が強いうちに出店ペースを加速する。
また、ピザーラ以外の新事業立ちあげも課題だ。ピザーラ事業だけではこの先、目に見えて従業員のポスト不足。いまのままではSVにもなれぬ者も出てくるだろう。
企業は人材が第一。ピザーラで培った実績を他分野でも生かすべく、将来のポストづくりを踏まえた新事業の構築が急務である。具体的なビジョンはまだない。が、フードサービス事業になるのは間違いない。蓄積した物流、商品開発、店舗管理のノウハウを応用し、社員のボリュームゾーンに合わせた新事業を打ち出す意向だ。飲食店のプロデュース、およびリース業など、従来類のない事業に目を付けている。
今年の社員募集では、三〇人の枠に新卒応募は六〇〇〇人(6月で)を数えた。若者の将来を見据え、大きく育ってもらうためにも、ピザーラのブランドイメージ高揚に努める考えだ。