インサイドレポート 転機のアイスクリーム市場 サーティワン、O-157騒動モロに

1996.09.16 111号 4面

サーティワンアイスクリームは、昭和48年12月、洋菓子メーカーの(株)不二家と米国バスキン・ロビンソンとの合弁事業でスタートし、翌年4月には東京・目黒に直営第一号店をオープンした。

FC第一号は49年5月、東京・麻布での出店だ。このころはファストフード開明期で、アイスクリーム分野も市場ニーズが爆発的に広がった。このため、チェーン展開にも弾みが付き、会社設立一〇年後の昭和58年12月には直営、FC合わせ二〇〇店舗を開設した。

そして、61年3月にはトータルで三〇〇店舗の大台を達成した。しかし、その後のチェーン展開は伸び悩み、平成7年12月決算では直営二五店、FC三〇八店の計三三三店と一〇年間で三〇店強を出店するのにとどまっている。

収益面はどうか。今年8月22日発表の「平成8年12月期中間決算短信」(本部製品出荷ベース)によると、売上高二七億円強で前年同期一・六%増、営業利益は三九〇〇万円、これは前年同期比約六〇%ものマイナス。経常利益は七〇〇〇万円。これも同四九%の減益。

店舗出店については、今期は新規に三〇店を計画しており、8月末現在で二〇店を出店、年度内に残り一〇店を消化する方針で、例年にない出店意欲をみせている。

「今年度はテレビCMも打ち出しましたので、阪神大震災の影響やO‐157騒ぎで既存店一〇%アップという思惑ははずれましたが、前年並みの売上げはキープできました。おかげさまで1~6月の上半期は、七年ぶりにわずかながら増収という結果です」(B‐Rサーティワン・アイスクリーム(株)経営企画部マネジャー渡辺裕明氏)

テレビCMは今年4、5月、7、8月の需要期に流したが、この成果はO‐157のアクシデントもあって、消費が伸びず、期待はずれに終わったということだ。

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