すし店のパワーアップ戦略 「海幸」1日32席15回転の繁盛ぶり

1996.11.18 115号 12面

鮮魚店「魚勝」が手掛ける立ちずし店「海幸」は、三二席が一日に一五回転前後もする超繁盛店。平日にもかかわらずオープン前から長蛇の列ができるほど。人気の源はもちろん鮮魚店のスケールメリットを生かしたネタの良さ。併設する本業の鮮魚店でも一日に一万五〇〇〇~二万個の包装ずしをさばくフィーバーぶりである。

「これからの鮮魚店は鮮魚以外の目玉商品が必要」という勝田正社長。スシロボによるテークアウト包装ずしを先発大ヒットさせ、続けざまに立ちずし店の海幸を立ちあげた。

鮮魚店に便乗して仕入れるネタは鮮度抜群。ネタの大きさは一般立ちずし店の一・五~二倍もあり、それでいて低価格。ファン層は地元客から遠方客まで幅広く、相乗効果で隣接する既存鮮魚店の売上げも右肩上がりを続けている。

「包装ずしは珍しさが先行して売れた。だが珍しいだけに飽きられるのも早いはず。いまの勢いがあるうちに立ちずし店で値打ち感を訴求し“魚勝”のブランドイメージを定着させたい」との意向。鮮魚店不況といわれるなか事業多角化に向け前途洋々だ。

◆「海幸」(東京都江東区北砂四‐六‐一八、Tel03・3645・0620)

○主なメニュー

トビコ、タコ、カツオ、イワシ、ホタテ、玉子=各一カン五〇円。コハダ、マグロ=同七〇円。アジ、トリ貝、カンパチ、タイ、イカ、エビ、アマエビ、アオヤギ=同一〇〇円。ネギトロ、子持ちコブ、カズノコ、シマアジ、ヒラメ、牛トロ=同三〇〇円。中トロ、赤貝、ウニ、車エビ、アワビ、ボタンエビ、ミル貝、小柱=同三〇〇円。サーモン=同七〇円。ズワイガニ=同二五〇円。上トロ=同四〇〇円。上アナゴ=同七〇〇円。海幸お薦めセット=九カン六〇〇円

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