飲食トレンド グリーンはおいしい色 店のイメージカラーは緑
イメージカラーにグリーン系統を取り入れる飲食店が増えている。従来は赤や黄色の暖色系統を採用するパターンが多かったのだが、なぜか最近はグリーン系統が目立つのである。業界関係者によると従来、飲食のイメージ作りにグリーン系統はタブー視されてきたという。この現象は一体何を意味しているのか。
“野心”“孤独”をイメージさせるグリーン系統の配色は、加工食品分野のパッケージにおいてタブー視されてきたという。呼応するかのように飲食店のパッケージ(店舗)もそうだった。親しまれてきたのは“温もり”や“明るさ”を訴求する赤、黄色の暖色系ばかりである。
そんなグリーン系統。一方には“自然”“安堵”“快適”の訴えもあるという。「飲食にグリーン系統の配色は難しいと思うが、別色とのコーディネート次第では暖色系よりも快適イメージを強調できる」(視覚デザイン研究所)。
こうした色彩心理が活用され始めてか知らぬ間にグリーンイメージの飲食チェーンは増え続けている。「プロント」「KFC」「サイゼリヤ」「フラカッソ」「フレッシュネスバーガー」「珈琲館」「白木屋」「ドムドム」「サンディーヌ」「バーミヤン」「ポット&ポット」などのほか、 個々の店まで挙げると切りがない。
これらが一概に戦略として色彩心理だけを突いているとはいいきれない。なかにはイタリアンイメージをアピールしているものもある。
が、グリーン系統が増えているのは紛れもない事実なのである。
関係者に聞くと見解は多岐にわたる。「アピール性に優れる暖色系は飲食店のシンボルカラーとされてきたが、現在のように飲食店が乱立する時代にはかえって目立たないから以前ほどは親しまれていない。だから少なかったグリーン系がはやり始めているのでは」(大手FF広報)という見方をはじめとし、「イタリアンブームの表れでは」「混沌とする時代が生み出した自然回帰現象では」「ヘルシー志向を狙った野菜イメージの訴求では」というさまざまな憶測が流れている。
グリーンの実際の現場を覗いてみた。
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