第14回フードケータリングショー、14~17日東京・晴海で開催 4兆円の巨大市場に

1992.10.05 13号 6面

成熟期を迎えた外食産業は、80年代前半に二〇兆円を超え、現在では二七兆八〇〇〇億円もの規模にまで拡大した。このようなマーケットの拡大は、ファーストフード店やファミリーレストランなどの「営業給食」と産業給食(社員食堂、工場給食)、学給食、病院・福祉給食などの「給食・ケータリング(集団給食)」に二分され、その総店舗数や従業者の増加となって表れている。

このような二七兆円を超えるマーケットは、国内の鉄鋼業や化学工業の市場規模にほぼ匹敵し、いまやGNPの約七%に相当する巨大市場となっている。

多様化する外食産業の中で、持ち帰り弁当、デリカ・惣菜などの「料理品小売り」や、企業の福利・厚生面への関心から、社員食堂や、社員寮研修所・保養施設の充実といった人を定着させるうえでのインセンティブ的な要素も含まれてきたといえる。

また、今年4月社会診療報酬の改正による病院給食の改善や、学校給食の是否論なども耳に新しい。

外食産業全体の約一五%(約四兆円)のシェアを占める「給食・ケータリング業界」は、最近五カ年で年率平均三%を超える安定成長を遂げている。しかし、業界を取り巻く環境はここ数年大きく変化している。その一つが、契約形態の変化である。とくに最近は、飲食施設の内装や厨房設備費といった初期投資や、水道・光熱費などの運営費まで、オペレーション企業が負担しなければならないケースが増え、喫食者の食事に対する嗜好の多様化・高級化と相まって、単なる給食ノウハウの提供と人材派遣にとどまらず、これらのニーズに対応できるメニュー構成や、新しい食空間づくりの提案、サービス形態の見直しが求められている。

また高齢化社会の到来に伴い、病院・福祉の給食施設が見直され、特に経腸栄養食品によるメニュー開発が注目され、喫食者の健康指向の高まりとともに、シルバー市場への積極的な対応も欠かせない視点といえる。

《メーカー30社が集中展示・実演》 このような状況を背景に、“快適なSHOKU(食・職)空間の創造”‐‐魅力あるフードケータリングをめざして‐‐をテーマに「第一四回フード・ケータリングショー」が10月14日(水)から17日(土)まで、東京・晴海の国際見本市会場で開催される。今年は、これまでの主催団体の日本給食サービス協会(西雅弘会長)、全国給食協同組合連合会(八木富次郎会長)と、新たに日本メディカル給食協会(志太勤会長)、日本厨房工業会(加藤景徳会長)の二団体が主催団体に加わった。これは、外食産業の中でも安定的な成長を遂げている給食・ケータリング業界の専門展示会「フード・ケータリングショー」が充実・発展をはかる第一歩とすでに業界各方面から注目を集めている

さらに今回は、日本厨房工業会の創立三〇周年にあたり、「働きやすい厨房の提案」をテーマに特別企画も展示される。

また、昨年に引き続き「食のプラザ」では、食品メーカー三〇社による集中展示コーナーや、実演コーナーも実施される。給食・ケータリング業界では、嗜好の多様化、深刻な人手不足によって、新メニューの開発、新しい食材の導入などのニーズが高く、それだけにこの「食のプラザ」の持つ意味は大きく、期待と関心が寄せられている。また期間中「フード・ケータリングシンポジウム」と「給食施設見学現地セミナー」も開催される。

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