焼肉店お店拝見 「叙々苑」ワンランク上、眺望と美食を満喫
昨年8月、東京オペラシティ五三階にオープンした「叙々苑」は、窓外に広がる展望と焼き肉が同時に楽しめる場としてすっかり定着してきた。
この店は、恵比寿ガーデンプレイス店に続き高層ビル内では二店目の出店。立地条件からワンランク上の客層を狙い、価格も二七チェーン店より五%アップに設定している。
「焼き肉のブランド商品として店舗展開し、叙々苑のイメージアップを図る」ため、時代のニーズにマッチした創意工夫をする。
高層ビルはガスが使えないため、メーカーとの協力で「高熱で焼け、水蒸気が出ず素材のうまさが引き出せる」独自の電気無煙ロースターを開発した。
ただ、こうした効率の良いロースターも、清掃には営業前の三時間に三人をあてており、「まだまだ一〇〇%完全とはいえない」として、改良品に期待をかける。
メニューについては、飽きさせない工夫をし、人気のカルビ一三〇〇円、タン一〇〇〇円など定番の焼き肉メニューに、昨年から塩焼シリーズを新メニュー化した。上肉タン塩焼一五〇〇円のほか、海鮮塩焼盛二人前相当三〇〇〇円などが人気上位だが、肉類に加え魚介類メニューを充実させているのが特徴。一組一品は注文している。
このほか肉類とセットになるほど人気の野菜類も、サラダは九アイテム(六〇〇円~)を揃え、包んで食べるサンチュは、野菜工場との試行錯誤の結果出来上がった無農薬半結球レタスを使う。従来の肉一辺倒からヘルシー志向に応え、魚介類、野菜類に付加価値をつけたメニュー構成だ。
生肉を扱っているだけに昨年のO157問題以来衛生管理をいっそう厳しくし、ハセップ導入工場からのみ仕入れているが、夏場の7~8月は人気商品のレバーをメニューから外し、安全性も訴求している。
一四〇席、平日約三〇〇人、土・日約四〇〇人の集客、客単価五〇〇〇円。
◆「叙々苑」(東京都新宿区西新宿三-二〇-二、オペラシティタワー五三、電話03・5353・0089)営業時間=午前11時30分~午後11時30分