味噌煮込みうどん本格シーズン(名古屋) 「山本屋本店」全国に伝統の味広げる
味噌煮込みうどんといえば、名古屋の名物料理である。中・高年齢層だけでなく、最近は若年層、特に若いOLの間で人気が高まっている。朝食が洋食化する中で「一日に一度は味噌をとりたい」という日本人的な意識がはたらいていると同時に、B級グルメとして美味しい味噌煮込みの店がマスコミで紹介された影響も大きい。ときは秋から冬‐‐。本格的な味噌煮込みうどんのシーズンを迎えた。
味噌煮込みに使用する麺は、普通のうどんが塩を加えて打つのに対して真水だけで打つのが特徴だ。汁は赤味噌をベースにしたブレンド味噌とかつおだしで作るが、その調合の仕方には店独自のものがあってどこも明かさない。
味噌煮込みうどんの専門店で最も有名なのが山本屋本店(㈱山本屋本店)である。名古屋市を中心に一五店(郊外型四店)の直営を持ち、その名前は全国にまで及んでいる。
同社では明治40年からの伝統の味を守り続け、今でもうどんは手打ちに徹し、厳選した材料を使用して、コク深くまろみのある味を出している。
メニューには味噌煮込みうどん六八〇円(定食一〇三〇円)をベースに玉子入り七三〇円(同一〇八〇円)、かしわ入り九三〇円(同一二八〇円)、親子入り九八〇円(同一三三〇円)があるが、人気の高いのは定食物で、中でも親子入り定食に人気が集まっている。
客層の傾向は、年齢層の幅が広くなったこと。飲食本部の田中正巳部長は「六年ほど前から段階的に若年層へ拡大していっています。店の改装を進めてきたこともありますが、名古屋の味として広く知られるようになったことも大きいですね」と話す。
この味噌煮込みうどんの需要は夏場一に対して冬場は一・三。バブル崩壊の影響で6月頃から、深夜に多少影響が出ているとはいうものの、その人気は他を圧倒している。今、名古屋市内または近郊に一、二店の出店を計画中である。
本部・名古屋市中村区賑町三五
本店・名古屋中村区太閣通六‐五
●電話・052‐482‐2428
●席数・八〇席
●営業時間・午前11時~深夜2時。無休