薄手のパリッとした手作り本格ピザを食べさせる「ハウスリーク」は、カップルやファミリーのほか、口コミで遠方からやってくるファンでいつも賑わっている店。

オーナーシェフである平田潤氏が一一年前、二九歳の時にオープンさせた。フレンチや喫茶など一〇年の修業を経、何の店にしようかと迷ったが、厨房が狭いこともあり（もともと展示用の建物として建てられていた）、ピザ中心の店にしたという。

ドウは初めから薄手タイプ。ただ当初はアメリカンタイプのものを伸ばした感じで、まだこってり感があった。「ピザもあっさりしたものが好まれてきたので」（平田シェフ）、一昨年に生地の構成比率を見直し、さらに薄く、周りが膨らむ形に変えている。お客さんには生地が変わったという印象を与えてはいないものの、「よりおいしくなった」と好評で、またあっさり感から、追加の注文が増えているという。

ちなみにチーズのブレンド具合も工夫を重ね、五年前からいまの「塩分をおさえつつコクのある配合」（内容は企業秘密）にしているそうだ。

「一〇〇％モツァレラなら簡単ですが、チーズは生き物で劣化も早い。輸入する距離、時間、値段を考えると日本でイタリアと同じものはできないので、皆が喜んでくれる味と値段になるブレンド配合と技術が必要」と平田シェフ。

当初設置したガスオーブンもそのままでは温度が安定しないと、陶芸用の石を購入しサイズを合わせて下に敷き詰め、遠赤外線効果を図るなど、各所に工夫が光る。

オリジナルのピザは三九種類。ショウガの小片を薄くスライスしたものと大根をのせた「だいこん・しょうがピザ」（Ｓサイズ七〇〇円、Ｌサイズ九〇〇円）、魚介類にワカメを入れた「シーマンズピザ」、冬季限定メニューの「かき・ホウレンソウピザ」（Ｌのみ一四〇〇円）、夏向きの「あさり・しそ・だいこんピザ」（Ｓサイズ七五〇円、Ｌサイズ九五〇円）などここでしか味わえないピザがそろっている（午前１１時～午後３時までのランチタイムなら＋三〇〇円でサラダと好みの飲み物が付く）。

またピザ以外では「今月のスパゲティ」「パエリアバレンシア」などもラインアップしている。

「ハウスリーク」とは、ハーブの一種で、根付きがすごくよいことから「地元に根づくよう」店名にしたそうだ。由来どおりしっかり定着した同店、「ここで店の規模を広げるか、もう一店出すか」と次の一手を思案中という。

★ハウスリークピザ（ミックスタイプ）…………Ｓ（６インチ）８００円、Ｌ（９インチ）１，０００円

★アンチョビ・オニオンピザ………………………………………………Ｓ７００円、Ｌ９００円

★きのこピザ………………Ｓ７５０円、Ｌ９５０円

★バナナピザ………………Ｓ７００円、Ｌ９００円

（スパゲティ）

★スモークサーモンとキャビアのペペロンチーノ…………………………………１，３００円

「ハウスリーク」

〈創業〉一九八七年８月２４日

〈所在地〉東京都多摩市落合六‐一二‐一〇、Ｔｅｌ０４２３・７２・２８２８

〈営業時間〉午前１１時～午後１０時、水曜定休

〈店舗面積・席数〉二〇坪・四二席

〈従業員数〉一三人（平田シェフ以外はすべてアルバイト）

〈客単価〉一三五〇円

〈一日来店客数〉一〇〇人

〈客層〉カップル、ファミリー、主婦グループ

〈月商〉三〇〇～三五〇万円