これでいいのか辛口!チェーンストアにもの申す(18)かっぱ寿司チェーン
回転ずしのチェーン店は、全国に約一万店以上あるといわれている。そのなかで、株式を公開している会社は数社である。その中でも、純粋にチェーンストア的な経営をしていたのが、このかっぱ寿司チェーンである。
ところで、決算発表の場では不振原因はO157がどうだとか、消費税がどうだとか、言い訳がぐたぐたと述べられているようだが、すし好きの私が思うには、かっぱ寿司の赤字の原因がそんなところにあるわけがない。
ズバリ、かっぱ寿司の大赤字の原因は、チェーン店的な「貧しい商品づくり」、チェーン店的な「大ざっぱな店舗運営管理」、ローコストというより「惨めなくらい金のかからない店舗経営」にその原因がある。
かっぱ寿司に食べに行けば、それは即座に分かることである。かっぱ寿司に行っても、その帰り道はなんだかとっても惨めな気持ちになる。冷凍ネタとすしロボットによるシャリ玉、アルバイト・パートによるド素人商法、かっぱ寿司はこうしたチェーンストア方式に固執し、ますますお客さまが離れてゆくのを止められないのである。
赤字になるのは、それらが最大の原因である。そのひどい現状をお知らせしよう。
神奈川県寒川町に「かっぱ寿司寒川店」がある。ここの店で特にひどいのは、シャリとネタがしっかりと一つになっていないということだ。シャリ玉機械(いわゆるすしロボット)が、何とカウンターの中にデンとあることにも驚かされるが、それがシャリ玉をどんどん製造しているさまがお客さまにまる見えなのだ。
まるで工場で食事しているようで、それはあんまりいい風景ではない。しかし我慢してよく見ていると、若き男性アルバイトがそのシャリ玉の上にワサビを少量塗り、その上にマグロなどのカットされたネタを、ヒョイヒョイと乗せそれをお皿に乗せてベルトに流しているのだ。
しかし、そこには“握り”という行為があるはずだが、全く握っていないのだ。ただワサビという接着材料で、張り合わせているだけなのだ。だから、その皿がベルトを一周するうち、振動でほとんどのネタがシャリからずり落ちてしまっているのだ。
まるで笑い話だが、本当のことである。そのずり落ちたすしネタを、皿を取ったお客が再び乗せ直しそれを食べているのだ。だから、ネタにちょっと醤油をつけてさっと口に運ぶなんて、そんなすしの食べ方なんか全くできないのである。何故なら、再びシャリの上にネタを戻しても、すぐにはがれてずり落ちてしまいさまにならないのだ。
これがわが日本が世界に誇る「SUSI」なのか。とんでもない。アルバイトだからなのか。いや違う。かっぱ寿司では、これしか教えられないのだろう。若き店長らしき男性は、汚れたエプロンをしていても一生懸命に頑張っていた。しかし、彼にアルバイトを教育することはできないのではないだろうか。
赤字は、お客さまからの明確な回答なのだ。何故なら‐‐
(1)店長が本部などで教育されているのは、チェーンストア・かっぱ寿司のマニュアルで、本当においしいおすしをどのように握ったら良いかなんて、一切習ったことがないからである。
(2)本当においしいおすしというものを、彼自身が食べたことがないのではないか。
(3)人件費削減と適正人件費の枠に縛られて、新人アルバイト・パートの十分な教育時間が取れずに、採用したら即職場で仕事をさせなければならない状況にある。
(4)彼自身が採用されて日が浅く、経験がないのに即戦力即店長として就任させられているのではないだろうか。
‐‐店長がいくら頑張っても、こんなずり落ちネタの回転ずし店しかできない“チェーンの仕組み”になっているのである。
結局チェーンストア式では、この程度のすし店しかできないのはやむをえないのである。まして、二期連続の赤字決算である。店内のあちこちで、いかにも“経費削減しています”といった状態が散見される。
ドアのノブががたついて、壁紙のはがれそうなところにはガムテープが張ってある。駐車場の植え込みには雑草がいっぱい。裏口の荷受け所の周りは、配送センターからのパレットやコンテナが散乱。車止めが壊れたまんま。レジ周りはレシートが散乱……。
しかしそれでも店長らしき若者は、明るい声を出しながら一人めげずに必死に頑張っていた。その姿を見て、こうした若者たちがもっともっと生きがいとやりがいを持って、そして頑張れる会社として早く立ち直ってほしいと願うものである。
それには古臭いチェーンストア理論のドグマから抜け出し、おいしいおすしが食べられ、お客さまの笑顔がこぼれる、そんな素晴らしいお店に一刻も早くなってもらいたいものである。
(仮面ライター)