看板と屋号(4)「あしび」

1998.11.16 166号 15面

千葉の街に時を告げる鐘の鳴る洋館が「あしび」だ。吹き抜けがあり、木をふんだんに使った店内。そんなゆったりとした空間に引かれて訪れる女性客も多い。

一階は常時二〇種類ずつ楽しめるパスタとケーキのお店で、二階は結婚式もできるビアレストラン、地下は落ち着いた雰囲気のレストランバーとフロアごとに違う顔を持つ。

昭和40年にオープンしたこの店は、現在相談役の中島志郎氏が「馬酔木」と命名。当時はカタカナの店名がはやっていたが、あえて漢字にこだわり、万葉集から「栄える」の枕詞でもある馬酔木をとった。

また馬酔木とはスズランに似た花をつけるどんな気候にも耐える植物で、力強さにも引かれたという。

平成元年に現在の場所へ移ると同時に、店名もひらがなでの「あしび」にかわり、看板ではロゴ的にアルファベットを使っている。

一階喫茶のキャプテンであり、中島氏の娘でもある若子さんは「漢字からひらがなへとかわったことにお客さまの抵抗はなかったようです。やっと店名がわかったという声が意外と多かったですね」。

◆「あしび」=千葉県千葉市中央区富士見二‐二‐五、Tel043・222・3838、営業時間喫茶午前11時~午後10時30分、ビアレストラン午後5時~11時(ランチタイム有り)、レストランバー午後5時~午前0時、年中無休

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