飲食店の血液型対応学、退職理由の90%は人間関係

1999.01.04 169号 25面

「エッ、あんな良い人が辞めちゃったの! どうして?」などという会話が良く聞こえてくる。

「職種が合わない」とか、「当初の就業条件と違う!」などといった退職する理由も聞くが、その実「またあの先輩が意地悪したのか?」とか「そうだろうな~、あの店長じゃな、下がかわいそうだよ」と、職場の人間関係が原因の場合も多い。事実、退職理由の九〇%は職場の人間関係が原因である。

「あの人とうまくいかない」「あの上司が嫌いだ」「あんな先輩とは仕事をしたくない」などと、職場での人間関係に悩む前に、このシリーズで取上げる、血液型対応学を学んでみてはどうだろう。

表1を見てもらいたい。そこに簡単な血液型の長所・短所を整理しておいた。これを参考にしてもらうだけでも、「あ~あ、あの先輩はA型だから、こういう行動を取るんだな」とか、「今度入って来たパートの芳江さんは、O型だからこの仕事を任せよう」とか、「うちの社長はB型だから、これをやったらしかられるな」というふうに、それぞれの職場での相手の血液型で、それぞれの対応を考え、行動パターンも読めるというものである。「読める」ということは、その言動が理解できるということである。

ほんのひと言、さ細なことが原因で、刃傷事件に発展することもままにある。しかし、「ほんのひと言」とは、それを言った本人の血液型の気性が言わせた本当に「さ細なこと」なのかもしれない。

B型の人は、自分の言ったことを一〇分後にはもう忘れるくらいの人である。一方A型は、小学校の先生の言った「あのひと言」を死の床でつぶやくというほどである。

このように血液型は、対人関係を決める最も重要な鍵である。この血液型対応学を知ることは、「人が中心」の飲食店の経営を大きく左右する知恵に違いない。スムーズな人間関係を作り上げ、豊かな職場生活を過ごしていただくために、これからの一年間、人間関係の事例を中心にした血液型対応学をお話していこうと思っている。

何とぞ、読者諸兄のご声援をお願いしたいものである。

職場の人間関係だけでなく、お客さまサービスの面でも、この血液型対応学が大いに生かせるのである。それは血液型によって「こうされると、モォ~たまらなくうれしい」というのが、A・O・B・AB型にそれぞれあるからなのだ。

例えば、A型は内気で内向的・情緒的・人情家だから、細かい配慮で優しい心づかいをされるとたまらなくうれしい。

「アッ、お背中に糸クズが付いていますわ、お取りしましょう」なんて細かい配慮がたまらなくうれしい。その心憎いサービスが、料理の説明やおいしさより優先されるのである。「女将、いつものやつ頼むよ!」という「料理内容」より常連の親しみのあるサービスを求めるのはA型の典型である。

ところが同じサービスをAB型にすると、

「そんな下らないことより、早くメニューを持って来なさい。私は食事をしに来ているわけであって、そうした親切を受けに来ているわけではないのだ!」

と怒られてしまう。しかし、それを怒られたと取ると間違いで、すかさず、

「おっしゃる通りですが、私どもには私どものサービスの仕方がございまして、このお店の中では私どものやり方でお客さまサービスを行っております。こうした細かい配慮は、創業以来の店主の方針でして私たちのサービスがお気に召さないようであれば、お代金は一切いただきません」

などと冷静に申し上げると、合理的説明が好きなAB型はその瞬間に納得し、いきなり嫌みなことを言った自分を反省し、

「イア~、その話は素晴らしい。ごめん、ごめん、この店が気に入った! 今のおわびだから、高い料理をジャンジャン持ってこい!」

と、こうなる可能性も大きいのである。

このように、血液型でお客さまの対応は全然違ってくるのである。同じサービスをしても、まったく正反対の感想を持たれることも多い。

O型のお客さまは、沈着冷静で論理的で、一度決めたら迷わない性格のため、注文を決めるまでがあれこれ考えて遅いのであるが、「これだ!」と一度決めたら迷わないので、意外と扱いやすい。まずおすすめの料理を、「徹底的に論理的」に説明する。そうすると心から喜ぶのである。

「お客さま、こちらのウナギは中国の雲南省のサイチェンというところで捕れたウナギで、その場で日米合弁の食品加工工場でさばかれました。あの地方は湖沼が多く中国でも有名なウナギの産地で、古くは秦の始皇帝に献上されたくらいのものです。そこではウナギ漁が盛んで、ほとんど地元で消費されずに、そのまま急速冷凍されて日本へ来たものでございます。しかし、それは白焼き状態ですから、調理の八時間前にマイナス二五度Cの冷凍庫から、マイナス一〇度Cのパーシャル状態にして、さらに二時間前にプラスマイナス〇度Cの冷蔵庫に移し、この三〇年間わが店に続いた秘伝のたれをつけて炭火でじっくり焼いたものでございます」

と口上を述べると、

「ウ~ン、なるほどそれは結構!よしそれにしよう。この店は良い店だ。俺は一生この店に来るぞ!」

なんていうことになりかねない。

このように、血液型でお客さまの対応は全然違ってくるのである。だから血液型を知って、お客さまへの対応を十分に考えるべきなのだ。

しかし、お客さまの血液型を外見で知ることは難しい。ではどうすべきか。「ご注文の前に、お客さまの血液型を教えていただけませんか」なんて、いちいち聞くわけにいかない。そんなことをすれば、ロイヤルカスタマー(上得意客)どころか、今まで来ていたお客さますら気味悪がって来なくなる。

そこで、表2を見てもらいたい。こうして、そのお客さまの血液型を推測するのである。もちろん、時にその推測が大きくはずれることがある。なぜか。それは、次回にご説明するとしよう。

(血液型対応学研究所所長・エービー海老尾)

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