この1品が客を呼ぶ:地域密着繁盛店=札幌「爐」

2001.02.19 222号 4面

昭和29年のオープン時から変わらぬ味を提供しつづけ、長年のファンを数多く持つ「爐」(いろり)。同店を語るうえで欠かせないのが、ホタテやイカなどの魚介類が入った「スペシャルラーメン」だ。

このラーメンの特徴は真っ黒なスープにあり、観光客などからは「イカスミラーメンください」と言われることも。しかし黒いスープの本当の理由は、その調理法にある。

店主の大関さんは、野菜や魚介類を炒める時に出る水分を「スープの味が弱まる」と嫌う。そのため、炒めた具を一旦フライパンから取り出し、ラードを加えてフライパンを熱して水分を飛ばしてから具とスープを入れてなじませる。この調理行程と特別注文のラードが黒さの理由であり、スープのコクを深める秘密ともなっている。ちなみにラードの内容は企業秘密とのこと。

味は醤油が基本だが、味噌、塩のオーダーも受け付けている。魚介を使うのはとんこつベースのスープとの相性が抜群で、味わいが豊かになるからだ。魚介のエキスを引き出すためと、食べやすさを考慮して具は細かく切って調理。北海道という土地柄、麺の上にカニやイカを丸ごと乗せて豪華さを演出する店も多いが、同店では見た目よりラーメンの味を第一に考えている。

◆「爐」(いろり=札幌市中央区北五条西六丁目札幌センタービル地下一階、011・261・9589)営業時間=午前11時~午後8時30分(土曜午後4時30分まで)、日曜・祝日定休

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