旦千花農園デビュー、広大な畑地で酵素栽培
千葉県八街市郊外、一面に広がる関東ローム層の畑地。今春誕生したばかりの旦千花農園は、いま苗の植えつけに忙しい。
農園主は大槻一史さん。江戸菜をはじめ大江戸大根、江戸人参などの生みの親でもあり、販売も手掛ける(株)旦千花の社長さんでもある。
「レストランに江戸菜や大江戸大根を運んでいるうち、こんな野菜が欲しい、あんな野菜があったらという声がどんどん入ってきます。こうした要望にこたえたいし、私自身、かねてから作ってみたい野菜がたくさんあり、夢をふくらませての挑戦です。もちろん根底にあるのは体にやさしく、おいしい野菜作りです。そのため化学肥料、農薬は使いません」
土への挑戦は、知り合いの農家の土地四五〇〇坪を借りてのスタートだ。
肥沃な関東ローム層の畑には、すでにジャガ芋、大江戸大根、ズッキーニ、カボチャ、ナス、キュウリ、サツマ芋などが植え付けられている。
約二ヵ月になるジャガ芋は、太陽の光を浴びて茎はたくましく、葉ものびのびと広げている。
「魚かす、油かす、コメぬか、発酵鶏糞に万田酵素をアレンジした旦千花酵素を混ぜ込み、発酵させたぼかし肥料を土にすき込み、六〇〇〇倍希釈の酵素を適宜吹き付けているからです」と農園主の大槻さん。
畑につきものに雑草がある。「どこでも除草剤を使っているが、うちは絶対に使わない。少々の雑草はご愛嬌。五日に一回は草取りをします」と余裕の笑顔。
また逃れられないのが虫との闘い。これには木酢(もくさく)や一〇種の唐辛子をブレンドし発酵させたものを使う。これに「長年やってきた酵素栽培を自分なりに咀嚼(そしゃく)した農法」大槻農法があれば鬼に金棒。
現在はスタッフ八人。四五〇〇坪の農地だが、「一般農家が二町~三町だから、私は倍の五町、人も一五人くらいにはしたい」と意欲満々だ。
(旦千花農園への問い合わせは(株)旦千花03・3680・1530へ)