オール電化厨房特集:電化厨房の導入例=「松屋フーズ」
オール電化厨房の導入に積極的なのが牛丼チェーン「松屋」を手掛ける(株)松屋フーズだ。全国三五〇店舗のうち、近年出店の二〇店舗余がオール電化厨房を導入。今後、出店の大半をオール電化厨房で計画、展開中だ。調理器の主力はグリドル(焼き物用)、ケトル(牛肉煮込み用)、ウォーマー(味噌汁用)の三本柱。
「一番の魅力はコストダウンですね。厨房は常時直火がついているため、夏場は五〇度Cにもなります。ガンガン冷房を入れても涼しくならず、膨大な冷房電力量を捨てていたようなもの。職場の環境がよくなければ、スタッフの士気にも影響します」と、商品開発部部長の薄井芳人さん。
昼間のバイトスタッフは、六~七割が女性。「暑い」「仕事が大変」「やけどが心配」などの問題解決も急務だったようだ。
「電化厨房なら調理をしていても室温は二〇~二五度C程度。ケトルでたれの温度を管理するから調理も楽で、焦げる心配もありません」。油煙や廃熱が少ない分、ドライ環境をキープ、掃除も楽で衛生的、直火が出ないので安全性も高いと、まさに女性にやさしい職場の誕生となった。
コストダウンは冷房費用面ばかりではない。バイトがやめれば、それだけ求人費用がかさむ。一から教える手間もかかる。長く働き続けてもらうことが、結局は人材コスト減になり、サービス面のきめ細かさにもつながる。
◆(株)松屋フーズ=東京都練馬区下石神井四‐一‐七、03・3904・2744