うまいぞ!地の野菜(34)京都府ミニ情報「京みょうが」
淡いピンク色がかわいい「京みょうが」。別名「みょうがたけ」「桃山みょうが」とも呼ばれ、京の伝統野菜として親しまれている。
栽培は、江戸時代の終わりころ、桃山江戸町(現在の伏見区桃山)で茗荷屋平兵衛なる人物が始めたといわれる。
花みょうがと違う京みょうがの栽培法は、独特の育て方。
まず5月に貯蔵苗を畑に植え、夏の乾燥を防ぐためわらを敷いて育て、9月下旬~10月上旬に一度目を収穫。12月上旬~2月上旬ころ、冬眠していた株を掘り起こし、「カマ」と呼ばれる室に入れ、一定の温度を保つ湧水を利用し育成する。
収穫は4月~5月。二五センチメートル前後の身の丈、淡いピンクの細筆風。独特の色合いを出すため、一週間に一度、室のふたを開け閉めしながら太陽にあてる。デリケートな野菜だけにこの調節には気を使うという。
料理のあしらいに、また軽くゆでて酢の物やごま、味噌などのあえ物など食べ方はいろいろだ。