この1品が客を呼ぶ:デザート編=大阪「芭蕉庵・なんばダオーレ店」

2001.09.03 235号 13面

「芭蕉庵」は、和菓子製造販売「芭蕉堂」の飲食部門。わらびもち専門店というユニークな切り口で、営業展開を行っている。

わらびもちには夏の食べ物というイメージがあるが、ここでは年間を通じて提供。看板メニューの「本造り笑来美餅(わらびもち)」は、売上げの五割以上を占める人気だ。まな板に乗せられた長方形のわらびもちを、自分で好きなようにカットして食べる。適度な弾力と控えめな甘み、口当たりの良さ、という、わらびもちの魅力がたっぷり感じられる本格派だ。

たれには、きな粉・黒蜜・抹茶・あんが用意されるが、きな粉は自分で作るのがこの店流。テーブルには石臼が設置されており、丹波の黒豆を入れてゴリゴリとすりつぶす。できたてのきな粉をつければ、自分で作ったという満足感も一緒に味わえるようだ。

「コンセプトは『創作和菓子』。食べたいように切ったり、きな粉作りを体験することも、創作につながるもの。味とともに、空気も売っているつもり」と、店長の尾前敬弘さん。アイデアをプラスすることで、地味な印象の商品も華やかに変身する好例といえるだろう。

また芭蕉堂では、飲食店向けに業務用の笑来美餅も販売中で、こちらも好評だという。

◆「芭蕉庵・なんばダオーレ店」=大阪市中央区千日前二‐八‐一七、なんばオリエンタルホテル一階、06・6644・8216

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